法律事務所の面接でよくある質問と対策

コラム

法律事務所のインターン面接を控えているあなた、準備は万全ですか? 初めての面接は緊張するものです。この記事では、選考突破に必要な「自己紹介」「志望動機」「学生時代頑張ったこと」「強み・弱み」「キャリアプラン」「逆質問」など、法律事務所のインターン面接で頻出する質問と効果的な回答例、そして面接官に好印象を与える自己PRのコツを具体的に解説します。さらに、ケーススタディを用いた実践的な対策や、服装・マナーといった基本事項も網羅。この記事を読めば、自信を持って面接に臨み、内定獲得に大きく近づくことができるでしょう。事前にしっかりと準備をして、夢への第一歩を踏み出しましょう。

法律事務所のインターン面接対策の基本

法律事務所のインターン面接は、選考における重要なステップです。面接官は、皆さんの人物像法律への関心の度合い、そして事務所との適合性を見極めようとしています。効果的な対策を講じることで、自信を持って面接に臨み、実力を最大限に発揮することができるでしょう。

面接準備のステップ

面接対策は、大きく分けて以下の3つのステップで進めると効果的です。

企業研究 面接練習

ステップ内容具体的な行動
自己分析自分の強みや弱み、経験、価値観などを深く掘り下げ、客観的に理解する。自己分析ツールを活用する、家族や友人に意見を求める、過去の経験を振り返るなど。
志望先の調査志望する法律事務所の理念、業務内容、弁護士の経歴、特徴などを徹底的に調べる。事務所のウェブサイトやパンフレットを確認する、説明会に参加する、OB・OG訪問を行うなど。
選考対策想定される質問への回答を準備し、本番を想定した練習を行う。自己紹介や志望動機、学生時代頑張ったことなどを繰り返し練習する、友人やキャリアセンターの職員に模擬面接を依頼するなど。

効果的な自己分析の方法

自己分析は、面接対策の土台となる重要なプロセスです。以下のフレームワークを活用することで、多角的な視点から自己分析を進めることができます。

  • SWOT分析:自分の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を分析し、自己理解を深めます。
  • STARメソッド:Situation(状況)、Task(課題)、Action(行動)、Result(結果)の順に経験を整理することで、具体的なエピソードを効果的に伝えることができます。 
  • 価値観の明確化:自分が大切にしている価値観を理解することで、仕事選びの軸を定め、志望動機をより明確に伝えることができます。

企業研究のポイント

企業研究では、志望理由を明確にするだけでなく、面接官への効果的な逆質問を考える上でも役立ちます。以下の3つの点を重点的に調べましょう。

  1. 事務所の理念・ビジョン事務所がどのような理念を掲げ、どのような未来を目指しているのかを理解することで、自身のキャリアプランとの整合性を見出すことができます。
  2. 事務所の強み・特徴事務所が得意とする分野や注力している事業、他事務所との差別化ポイントなどを把握することで、志望理由を具体的に説明することができます。
  3. 所属弁護士の経歴・実績事務所に所属する弁護士の経歴や専門分野、実績などを調べることで、どのような弁護士の元で学びたいかを明確にすることができます。

これらの情報を元に、面接官に「なぜこの事務所でインターンをしたいのか」を具体的に説明できるように準備しましょう。また、企業研究で得た情報を活用し、面接の最後に効果的な逆質問をすることで、積極的な姿勢入所意欲の高さをアピールすることができます。

自己紹介で差をつける

法律事務所のインターン面接における自己紹介は、あなたの人物像を端的に伝え、面接官に好印象を与えるための重要な機会です。限られた時間で効果的にアピールするために、内容と伝え方、両方の観点から準備を行いましょう。

自己紹介の内容

自己紹介の内容は、簡潔ながらも面接官の記憶に残るように構成することが大切です。以下の要素を含めることで、効果的な自己紹介を作成できます。

  • 氏名・大学名・学年
  • 法律に興味を持ったきっかけ
  • 法律を学ぶ中で特に力を入れた分野(民法、刑法、国際法など)
  • 自己PR(強み、経験、スキルなど)
  • インターンへの意気込み

これらの要素を盛り込みつつ、30秒から1分程度で完結するようにまとめることが重要です。面接官の時間を奪わないように配慮しながら、自己紹介を通じてあなたの熱意とポテンシャルを伝えましょう。

自己紹介の構成例

項目内容
氏名・大学名・学年「〇〇大学法学部〇年の〇〇です。」
法律に興味を持ったきっかけ「幼少期に〇〇という経験を通して法律に興味を持ち、将来は弁護士として人々の権利を守る仕事に就きたいと考えています。」
法律を学ぶ中で特に力を入れた分野「大学では民法、特に契約法の分野に力を入れて勉強しており、ゼミでは〇〇について研究しています。」
自己PR「私の強みは、粘り強く物事に取り組む力です。大学時代の〇〇活動では、リーダーとしてチームをまとめ、目標達成に貢献しました。」
インターンへの意気込み「貴事務所の理念である〇〇に共感しており、インターンを通して実務経験を積み、将来の弁護士としてのキャリアに繋げたいと考えています。」

上記はあくまで例なので、ご自身の経験や強みに合わせて適宜修正してください。例えば、法律に興味を持ったきっかけが具体的な出来事であれば、それを簡潔に説明することで面接官の印象に残りやすくなります。また、自己PRでは、具体的なエピソードを交えて説明することで、あなたの強みをより効果的に伝えることができます。

自己紹介の伝え方

自己紹介の内容に加えて、伝え方も重要です。明るくハキハキとした声で話し、アイコンタクトを意識することで、自信と熱意を伝えることができます。また、早口にならないように注意し、適切な抑揚をつけて話すことで、聞き取りやすく、印象的な自己紹介にすることができます。

面接前に、家族や友人に自己紹介を聞いてもらい、フィードバックを受けるのも効果的です。客観的な視点を取り入れることで、改善点に気づき、より洗練された自己紹介を完成させることができます。また、面接のマナーについても事前に確認しておきましょう。

効果的な自己紹介は、面接官に好印象を与え、その後の面接をスムーズに進めるための重要な第一歩です。内容と伝え方、両方の側面からしっかりと準備を行い、自信を持って自己紹介を行いましょう。

法律事務所のインターン面接でよくある質問と回答例

法律事務所のインターン面接では、自己紹介や志望動機に加え、法律に関する知識や考え方、そして将来のビジョンなど、多岐にわたる質問がされます。効果的な対策を立てるためには、想定される質問と回答例を事前に把握し、自分自身の経験や考えに基づいた回答を準備しておくことが重要です。ここでは、頻出する質問と回答例、そして効果的な回答を構成するためのポイントを解説します。

志望動機に関する質問

志望動機は、面接官が最も重視するポイントの一つです。なぜ法律事務所でインターンシップをしたいのか、なぜ数ある事務所の中からその事務所を選んだのか、明確かつ説得力のある説明を心がけましょう。

なぜ法律事務所でインターンをしたいのですか?

法律事務所でのインターンシップを通じて、法律実務の現場を体験し、弁護士の仕事の実際を理解したいと考えています大学で学んだ法律知識がどのように実務で活かされているのかを学び、将来のキャリアを考える上で貴重な経験にしたいです。また、弁護士の方々と直接関わることで、法律専門職としての心構えや責任感についても学びたいと考えています。

なぜ当事務所でインターンをしたいのですか?

貴事務所のホームページを拝見し、企業法務に特化した実績と、若手弁護士の育成に力を入れている点に魅力を感じました私自身、将来は企業法務に関わりたいと考えており、貴事務所でのインターンシップは、実践的な知識やスキルを習得する絶好の機会だと考えています。また、若手弁護士の方々から直接指導いただける環境も、大変魅力的です。

他の事務所ではなく、当事務所を選んだ理由を教えてください

他の事務所も検討しましたが、貴事務所の地域密着型の活動と、依頼者との密なコミュニケーションを重視する姿勢に共感しました。私は、地域社会に貢献できる弁護士を目指しており、貴事務所の理念は私の理想とする弁護士像と合致しています。また、依頼者との信頼関係を築く上で、コミュニケーション能力は不可欠だと考えており、貴事務所でのインターンシップを通じて、その点を深く学びたいと考えています。

学生時代頑張ったこと

学生時代に力を入れた経験を通して、あなたの人物像や能力をアピールしましょう。具体的なエピソードを交えながら、経験から得られた学びや成果を説明することが重要です。

学生時代最も力を入れたことは何ですか?

大学2年生から3年間、大学の法律相談部に所属し、市民向けの無料法律相談活動に取り組みました相談内容の整理、関係法令の調査、相談者への説明など、責任感を持って活動に取り組みました。当初は法律知識も経験も不足していましたが、先輩弁護士からの指導や、自主的な学習を通して、相談業務に必要なスキルを身につけることができました。

その経験から何を学びましたか?

法律相談活動を通じて、法律の知識だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力の重要性を学びました相談者はそれぞれ異なる背景や状況を抱えており、的確なアドバイスをするためには、相談内容を丁寧に聞き取り、共感する姿勢が不可欠です。また、限られた時間の中で最適な解決策を提示するためには、迅速かつ正確な情報収集と分析能力が求められます。これらの経験は、将来弁護士として活動する上で必ず活かせると確信しています。

強みと弱み

自己分析に基づいて、自身の強みと弱みを正直に伝えましょう。弱みについては、それをどのように克服しようとしているのか、具体的な行動を示すことが重要です。

あなたの強みと弱みは何ですか?

私の強みは、粘り強く物事に取り組むことができる点です。法律相談活動では、困難な事例に直面することもありましたが、諦めずに調査や分析を続け、解決策を見出すことができました。一方で、弱みはプレゼンテーション能力に自信がない点です。大勢の前で話すことに緊張してしまうため、効果的な説明ができていないと感じることがあります。

あなたの短所をどのように克服しようとしていますか?

プレゼンテーション能力を向上させるために、大学のスピーチサークルに所属し、発表練習に取り組んでいます。構成や話し方、視線の使い方など、基本的なスキルを学ぶとともに、メンバーからのフィードバックを積極的に取り入れることで、改善を図っています。また、経済産業省が公開しているプレゼンテーション資料なども参考に、効果的な資料作成についても学んでいます。

キャリアプランに関する質問

将来どのような弁護士を目指しているのか、インターンシップを通して何を学びたいのか、具体的なビジョンを伝えましょう。将来の目標とインターンシップの目的を結びつけることが重要です。

将来どのような弁護士になりたいですか?

依頼者一人ひとりの状況に寄り添い、最善の解決策を提案できる弁護士になりたいです。そのためには、法律の知識だけでなく、コミュニケーション能力や交渉力、そして依頼者との信頼関係を築くための誠実さも重要だと考えています。特に、困っている人を助けたいという思いが強く、将来は法律相談活動で培った経験を活かし、社会貢献にも積極的に取り組みたいと考えています。

インターンを通してどのようなことを学びたいですか?

インターンシップでは、実際の法律業務の現場を体験し、弁護士の仕事の実際を深く理解したいと考えています。特に、法律相談、訴訟対応、契約書作成など、実務的なスキルを習得したいです。また、弁護士の方々の仕事に対する姿勢や、依頼者との接し方なども間近で学び、将来のキャリアプランに役立てたいと考えています。

逆質問

逆質問は、あなた自身の関心の高さをアピールする絶好の機会です。事前に質問内容を準備しておき、面接の最後に積極的に質問しましょう。

種類質問例
効果的な逆質問貴事務所では、若手弁護士の育成にどのような取り組みをされていますか?貴事務所の弁護士として、最もやりがいを感じるのはどのような時ですか?貴事務所の今後の展望についてお聞かせください。
避けるべき逆質問給与や待遇について教えてください。残業時間や休暇日数について教えてください。既にホームページに掲載されている情報に関する質問。

逆質問は、面接官とのコミュニケーションを深めるための貴重な機会です。事前に質問内容を準備しておき、面接の最後に積極的に質問することで、熱意や関心の高さをアピールすることができます。ただし、給与や待遇に関する質問や、ホームページで既に公開されている情報に関する質問は避けましょう。業務内容や事務所の雰囲気、キャリアパスなど、具体的な質問を心がけることが重要です。例えば、「若手弁護士の育成にどのような取り組みをされていますか?」「貴事務所の弁護士として、最もやりがいを感じるのはどのような時ですか?」といった質問は、面接官に好印象を与え、あなた自身の成長意欲を示すことができます。また、「貴事務所の今後の展望についてお聞かせください。」といった質問は、事務所への関心の高さをアピールするだけでなく、業界の動向や事務所のビジョンを理解する上で役立ちます。

服装・マナーなど面接対策のポイント

法律事務所のインターン面接は、あなたの第一印象を決定づける重要な機会です。服装やマナーは、あなたの人となりや法律事務所に対する真剣さを伝える手段となるため、入念な準備が必要です。適切な服装とマナーを身につけることで、自信を持って面接に臨み、好印象を与えましょう。

服装

法律事務所のインターン面接では、一般的にビジネスフォーマルが適切な服装です。清潔感と誠実さをアピールすることを心がけましょう。

男性の場合

項目詳細
スーツ黒、紺、ダークグレーなどの落ち着いた色のスーツが適切です。
シャツ白の無地シャツが基本です。しわや汚れがないか確認しましょう。
ネクタイ派手な柄や色を避け、落ち着いた色合いのネクタイを選びましょう。青や紺、えんじなどが無難です。
黒の革靴を磨き、清潔な状態に保ちましょう。
靴下黒か紺の無地の靴下を着用しましょう。
髪型清潔感のある髪型を心がけましょう。長髪の場合は整髪料でまとめるなど、きちんとした印象を与えましょう。
アクセサリー結婚指輪以外のアクセサリーは控えめにしましょう。

女性の場合

項目詳細
スーツ黒、紺、ダークグレーなどの落ち着いた色のスーツが適切です。パンツスーツ、スカートスーツどちらでも構いません。スカート丈は膝丈程度が適切です。
インナー白や淡い色のブラウスが無難です。過度な装飾は避けましょう。
ストッキング肌色に近いナチュラルな色のストッキングを着用しましょう。伝線していないか確認することも重要です。
黒のパンプスが基本です。ヒールの高さは3~5cm程度が適切です。つま先やかかとが傷ついていないか、清潔に磨かれているか確認しましょう。
髪型清潔感のある髪型を心がけましょう。長髪の場合はまとめる、もしくはハーフアップなど、顔にかからないようにしましょう。
メイクナチュラルメイクを心がけましょう。派手な色は避け、清潔感のある印象を与えましょう。
アクセサリー華美なアクセサリーは避け、シンプルなものを選びましょう。
バッグ黒や紺などの落ち着いた色のシンプルなバッグを選びましょう。A4サイズの書類が入るものが便利です。

マナー

面接時のマナーは、あなたの社会人としての常識やビジネスマナーへの理解度を測る重要な要素です。基本的なマナーをしっかり押さえて、好印象を与えましょう。

面接開始前

  • 時間厳守:面接時間には余裕を持って到着するようにしましょう。遅刻は絶対に避けつつ、早く到着しすぎないように気をつけ、5分前くらいに到着するように心がけましょう。
  • 受付:到着したら受付で担当者に面接に来た旨を伝え、指示に従いましょう。名前と面接時間を明確に伝えましょう。
  • 待合室:待合室では携帯電話の電源を切り、静かに待ちましょう。面接官に呼ばれるまでは、姿勢を正して座り、面接に備えましょう。

面接中

  • 入室:ノックをしてから入室し、「失礼します」と挨拶をしましょう。面接官に促されてから着席しましょう。
  • 挨拶:面接官全員に丁寧な挨拶をしましょう。明るくハキハキとした声で話すことを心がけましょう。
  • 姿勢:背筋を伸ばし、良い姿勢を保ちましょう。足を組んだり、腕を組んだりするのは避けましょう。
  • 目線:質問をしている面接官の目を見て、落ち着いて話しましょう。目をきょろきょろさせたり、視線をそらしたりするのは避けましょう。
  • 敬語:正しい敬語を使い、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
  • 質問への回答:質問には簡潔かつ分かりやすく答えましょう。結論から先に述べ、具体的なエピソードを交えて説明すると効果的です。
  • 退室:面接が終わったら、面接官に感謝の言葉を伝え、「失礼します」と挨拶をして退室しましょう。ドアを静かに閉めることも忘れずに行いましょう。

これらのポイントを踏まえ、万全の準備をして面接に臨みましょう。服装やマナーは、あなた自身を表現する重要な要素です。自信を持って、誠実な態度で面接に臨むことで、好印象を与え、内定に近づくことができるでしょう。

まとめ

この記事では、法律事務所のインターン面接対策について、自己紹介からよくある質問への回答例、ケーススタディ、服装やマナーまで網羅的に解説しました。面接対策の基本を押さえ、効果的な自己紹介、志望動機、学生時代頑張ったこと、強み弱み、キャリアプランなどをしっかり準備することで、自信を持って面接に臨むことができます。特に、なぜその事務所を選んだのかという質問への対策は重要です。事務所の理念や特徴を理解し、自身の経験や目標と結びつけることで、熱意を伝えましょう。効果的な逆質問も準備し、積極的に学びの姿勢を示すことも大切です。服装やマナーなどの基本事項も忘れずに、万全の準備で面接に臨み、内定を勝ち取りましょう。



本記事の担当

プロスパイア法律事務所メディア編集部
2024年4月に開業した法律事務所。ベンチャー企業法務、インターネット・IT企業法務、風評被害対策法務、インフルエンサー法務等を中心に幅広いサービスを提供しており、半蔵門駅徒歩1分の千代田区一番町に事務所を構えている。

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