法律事務所のインターンシップは、就活で有利になるのでしょうか?この記事では、その疑問に答えるだけでなく、インターンシップの種類別の経験値や、自己PRでの効果的なアピール方法、そして例文まで網羅的に解説します。
一般事務、法律事務、弁護士補助など、それぞれのインターンシップで得られるスキルや経験を具体的に示し、自己PRの基本構成から、インターンシップ経験を効果的に伝えるための構成、そして各種類のインターンシップに合わせた自己PR例文まで、具体的な例を交えて分かりやすく説明します。
この記事を読めば、法律事務所のインターンシップで得た経験を最大限に活かし、就活を成功させるための具体的な方法が分かります。
法律事務所インターンの経験は就活で有利になるのか?

法律事務所でのインターン経験は、就職活動において確かに有利に働くと言えるでしょう。特に法曹界や一般企業の法務部を目指す学生にとっては、実務経験を積める貴重な機会となります。採用担当者は、単なる座学ではなく、実践的な経験を通して得られたスキルや知識を高く評価します。法律事務所のインターンを通して、法律知識の深化だけでなく、ビジネスにおける法的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力など、様々なスキルを身につけることができます。これらのスキルは、法曹界だけでなく、ビジネスの世界でも高く評価されるため、就職活動全体で有利に働くと言えるでしょう。
さらに、法律事務所でのインターンは、業界への理解を深める絶好の機会です。法律事務所の業務内容、弁護士の働き方、職場環境などを実際に体験することで、将来のキャリアプランを具体的に描くことができます。また、インターンを通して得られる人脈も大きな財産となります。弁護士や事務スタッフなど、様々な立場の方々と関わることで、将来のキャリア形成に役立つ貴重なネットワークを築くことができるでしょう。これらの経験や人脈は、就職活動だけでなく、その後のキャリアにおいても大きな力となるはずです。
ただし、インターン経験が必ずしも就職活動の成功を保証するものではありません。重要なのは、インターンで得られた経験をどのように自己PRに活かすかです。 具体的なエピソードを交えながら、自分がどのようなスキルを身につけ、どのように成長したのかを明確に伝える必要があります。また、インターンを通して得られた経験を将来どのように活かしたいのか、将来のキャリアビジョンについても具体的に説明することが重要です。
法律事務所インターンの種類
法律事務所のインターンシップには、大きく分けて以下の3つの種類があります。
インターン種類 | 主な業務内容 | 得られるスキル・経験 |
---|---|---|
一般事務 | 電話対応、来客対応、書類作成、ファイリング、データ入力など | 事務処理能力、コミュニケーション能力、ビジネスマナー |
法律事務 | 法律調査、契約書作成補助、裁判所への書類提出など | 法律知識、リーガルリサーチ能力、法的文書作成能力 |
弁護士補助 | 弁護士の指示に基づく調査、訴訟準備、依頼者との面談同席など | 法的思考力、問題解決能力、弁護士業務の理解 |
それぞれのインターンの種類によって、得られる経験やスキルは異なります。自分がどのような経験を積みたいのか、どのようなスキルを身につけたいのかを明確にして、自分に合ったインターンシップを選ぶことが重要です。
それぞれのインターンで得られる具体的なスキル
一般事務
一般事務のインターンでは、電話応対や来客応対を通して、社会人としての基本的なビジネスマナーやコミュニケーション能力を向上させることができます。 また、書類作成やファイリングなどの業務を通して、事務処理能力や正確性も身につきます。これらのスキルは、どのような職種においても必要とされる基本的なスキルであり、就職活動においても高く評価されます。たとえば、経済産業省のホームページでも、社会人基礎力として、前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力が重要であると述べられています。
法律事務
法律事務のインターンでは、法律調査や契約書作成補助などを通して、実践的な法律知識やリーガルリサーチ能力を身につけることができます。 これらのスキルは、法務関連の職種を目指す上で非常に重要です。また、法的文書に触れる機会が多いため、法律用語や法的文書の構成など、専門的な知識を習得することも可能です。
弁護士補助
弁護士補助のインターンでは、弁護士の業務を間近で見て、法的思考力や問題解決能力を養うことができます。 依頼者との面談に同席することで、弁護士と依頼者のコミュニケーションの取り方や、法律問題に対するアプローチ方法などを学ぶことができます。また、訴訟準備などを通して、裁判の流れや手続きについても理解を深めることができます。これらの経験は、法曹界を目指す上で非常に貴重な経験となるでしょう。
法律事務所のインターンで得られるスキル・経験

法律事務所のインターンシップでは、職種や業務内容によって多様なスキル・経験を習得できます。大きく分けて、一般事務、法律事務、弁護士補助の3つの種類があり、それぞれで得られるスキルも異なります。これらの経験は、就職活動において自己PRの大きな武器となるでしょう。
法律事務所インターンの種類
法律事務所のインターンシップは、主に以下の3つの種類に分けられます。
インターン種類 | 主な業務内容 |
---|---|
一般事務 | 電話対応、来客対応、書類作成・整理、ファイリング、データ入力、備品管理、スケジュール管理など |
法律事務 | 法律調査、判例調査、契約書作成補助、訴状作成補助、登記申請書類作成補助、その他弁護士の指示に基づく事務作業など |
弁護士補助 | 弁護士の指示に基づく調査、裁判所への書類提出、依頼者との面談同席、法律相談の記録作成、その他弁護士業務の補助など |
それぞれのインターンで得られる具体的なスキル
一般事務
一般事務のインターンでは、社会人としての基本的なビジネスマナーを習得できます。電話応対や来客対応といったコミュニケーション能力、事務処理能力、時間管理能力などが身につきます。また、法律事務所という特殊な環境で働くことで、法律に関する基礎知識や法的書類に触れる機会も得られます。
法律事務
法律事務のインターンでは、法的思考力やリサーチ能力が養われます。法律調査や判例調査を通じて、論理的に物事を考える力、必要な情報を効率的に収集・分析する力が身につきます。また、契約書や訴状の作成補助を通して、法律文書の構成や表現方法を学ぶことができます。
弁護士補助
弁護士補助のインターンでは、実践的な法律業務を経験できます。弁護士の指示に基づき、様々な業務に携わることで、法律の知識を深め、弁護士の仕事を間近で学ぶことができます。依頼者との面談に同席することで、コミュニケーション能力や傾聴力も向上します。また、法律問題解決の流れを実際に体験することで、より深い理解を得ることができます。
法律事務所インターンの自己PR作成ポイント

法律事務所のインターンシップは、貴重な経験であり、就職活動においても大きな強みとなります。しかし、その経験を効果的に伝える自己PRを作成しなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。この章では、法律事務所インターンの自己PR作成のポイントを詳しく解説します。
自己PRの基本構成
自己PRの基本構成は、結論、根拠、結論の3部構成が効果的です。まず結論で自分の強みや成果を簡潔に述べ、次に根拠となる具体的なエピソードを交えて説明し、最後に将来の展望を述べることで、採用担当者に自分の魅力を効果的にアピールできます。これは、PREP法(Point, Reason, Example, Point)と呼ばれ、ビジネスシーンなどでも広く活用されている構成です。自己PRの基本的な流れを理解し、自分の経験に合わせて構成を組み立てましょう。
結論→根拠→結論のPREP法を意識しましょう。
インターン経験を効果的に伝える構成
法律事務所のインターン経験を効果的に伝えるためには、以下の構成で自己PRを作成すると良いでしょう。
結論:インターンで得られた成果と強み
まず初めに、インターンを通して得られた成果や強みを簡潔に述べましょう。採用担当者は、あなたがどのような成果を出し、どのような強みを身につけているのかを最初に知りたいと考えています。例えば、「一般事務インターンを通して、業務効率化を実現する事務処理能力と、複数部署との円滑なコミュニケーション能力を培いました」のように、具体的な成果と強みを明確に伝えましょう。成果を数値化することで、より説得力が増します。
根拠:具体的なエピソードと行動
次に、結論で述べた成果や強みを裏付ける具体的なエピソードと行動を説明します。ただ単に「努力しました」「頑張りました」と述べるのではなく、どのような課題に直面し、どのような行動をとって、どのような結果を出したのかを具体的に説明することで、信憑性が高まります。例えば、「弁護士の先生方から依頼される資料作成において、期限内に資料を提出することはもちろん、資料の内容についても正確性を期すことを常に意識していました。過去の判例集や法律文献を徹底的に調べ、疑問点は弁護士の先生方に積極的に質問することで、質の高い資料作成を実現しました」のように、具体的な行動やエピソードを交えて説明することで、あなたの能力や人となりがより鮮明に伝わります。
結論:強みを活かした将来の展望
最後に、インターンで得られた強みをどのように活かして、将来どのような仕事に取り組みたいのかを述べましょう。将来の展望を語ることで、あなたの仕事に対する意欲や熱意が伝わり、採用担当者に良い印象を与えます。例えば、「法律事務所でのインターン経験を通して培った事務処理能力やコミュニケーション能力を活かし、貴社においても迅速かつ正確な事務処理を行い、円滑な職場環境づくりに貢献したいと考えています」のように、具体的な目標を掲げることで、あなたの将来像が明確になります。目標は、企業の理念や事業内容に合致した内容にすることが重要です。
自己PR例文集 インターン自己PR
以下は、インターンシップの種類別に作成した自己PRの例文です。自身の経験に合わせて適宜修正して活用してください。
インターンの種類 | 自己PR例文 |
---|---|
一般事務インターン | 私は、貴社での一般事務インターンシップを通して、業務効率化と正確な事務処理能力を培いました。例えば、書類整理の際に、ファイルの分類方法を独自に工夫することで、書類検索にかかる時間を30%短縮することに成功しました。また、100件を超える顧客データの入力作業においても、ミスのない正確な作業を心掛け、一度もミスをすることなく完了させました。これらの経験から、効率性と正確性を両立させた事務処理能力は、貴社においても必ず貢献できると確信しています。貴社の一員として、業務効率化に貢献し、正確な事務処理で会社を支えたいと考えています。 |
法律事務インターン | 私は、法律事務所でのインターンシップを通して、法律事務に関する専門知識と、正確な書類作成能力を身につけることができました。弁護士の先生方の指導のもと、契約書や訴状の作成補助を行い、法律文書特有の表現や形式を学ぶことができました。また、判例調査や法令調査を通して、リーガルリサーチのスキルも向上しました。これらの経験を活かし、貴社においても、法務部門の一員として、正確かつ迅速な業務遂行に貢献したいと考えています。 |
弁護士補助インターン | 弁護士補助インターンとして、弁護士の先生方のサポート業務を通して、法的思考力とコミュニケーション能力を磨きました。依頼者との面談に同席し、事件の背景や争点について理解を深めることができました。また、裁判所への書類提出や関係機関との連絡など、様々な業務を通して、弁護士業務の全体像を把握することができました。これらの経験を活かし、貴社においても、リーガルスタッフとして、弁護士の先生方をサポートし、円滑な業務運営に貢献したいと考えています。 |
インターン経験を活かせる業界・職種

法律事務所でのインターン経験は、法律業界だけでなく、幅広い業界・職種で活かすことができます。論理的思考力、コミュニケーション能力、責任感など、インターンを通じて培ったスキルは、多くの企業が求める人材像と合致するからです。以下に、代表的な業界・職種と、そこでどのようにインターン経験を活かせるかについて説明します。
法律業界
法律事務所でのインターン経験は、当然ながら法律業界への就職を目指す上で大きな強みとなります。実務経験を通して、法律知識の理解を深め、実践的なスキルを身につけていることをアピールできます。
法律事務所
弁護士、事務職員など、将来のキャリアパスを明確に示すことができ、即戦力として活躍できる可能性が高まります。特に、弁護士を目指している場合は、司法試験合格後のキャリア形成にも有利に働きます。
企業法務部
企業内において、契約書作成・審査、コンプライアンス、知的財産管理など、法律に関わる業務を担当します。インターンで培った法律知識や実務経験は、企業法務部での業務に直結するため、高い評価を得られるでしょう。
司法書士事務所
不動産登記、商業登記、相続手続きなど、法律に関わる手続きの代理を行います。インターンで培った法律知識や事務処理能力は、司法書士事務所での業務に役立ちます。
法律業界以外
法律事務所でのインターン経験は、法律業界以外でも高く評価されます。特に、論理的思考力、コミュニケーション能力、責任感といったスキルは、多くの企業で求められる重要な要素です。
一般企業
職種 | 活かせる経験・スキル |
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営業 | クライアントとのコミュニケーション能力、契約内容の理解 |
人事 | 就業規則の理解、労務問題への対応能力 |
広報 | 情報収集能力、正確な情報伝達能力 |
コンサルタント | 論理的思考力、問題解決能力 |
上記以外にも、金融業界、公務員など、様々な業界・職種でインターン経験を活かすことができます。重要なのは、インターンで得た経験・スキルをどのように活かせるかを具体的に説明することです。企業の求める人物像と自身の経験を結びつけ、説得力のある自己PRを作成しましょう。
公務員
国家公務員、地方公務員ともに、法律に関する知識や理解は業務遂行の上で重要です。インターンで培った法律知識や問題解決能力は、公務員としての職務にも活かすことができます。特に、法律を扱う部署や、市民からの相談対応を行う部署では、インターン経験が大きな強みとなるでしょう。
まとめ

法律事務所のインターンは、職種によって得られるスキルや経験が異なり、就活で有利に働く可能性があります。一般事務では、事務処理能力やコミュニケーション能力が身につきます。法律事務では、法律知識や法的文書作成スキルを習得できます。弁護士補助では、弁護士の業務をサポートすることで、法的思考力や問題解決能力を高めることができます。自己PRでは、これらの経験を基に、具体的なエピソードを交えながら、得られた成果と強みを明確に伝えましょう。将来の展望を示すことで、より効果的な自己PRを作成できます。法律事務所でのインターン経験は、法律業界だけでなく、様々な業界・職種で活かせる貴重な経験となるでしょう。

プロスパイア法律事務所メディア編集部
2024年4月に開業した法律事務所。ベンチャー企業法務、インターネット・IT企業法務、風評被害対策法務、インフルエンサー法務等を中心に幅広いサービスを提供しており、半蔵門駅徒歩1分の千代田区一番町に事務所を構えている。