弊所所属のインターン生であるC.Sさんが、令和7年度司法試験に合格されました。
司法試験合格までの道のりは、決して一直線ではありません。
ロースクールでの生活、膨大な勉強時間、そして不安や焦りとどう向き合ってきたのか。
今回お話を伺ったのは、華々しい成功談としてだけでなく、合格までの道のりを「等身大の視点」で語ってくれた受験生です。
順調だった時期も、苦しかった時期も含め、試験当日までどのように日々を積み重ねてきたのか。
そのリアルな体験談を率直に語っていただきました。
本記事(試験合格体験記・後編)では、司法試験当日に向けてどのような準備を行い、どのような心構えで本番に臨んだのかを中心に、これから受験を目指す方へのメッセージをご紹介します。
会場入りのタイミングや動線の確認、前日の過ごし方、生活リズムの調整など、当日に力を発揮するための実践的な情報が満載です。
また、1回目と2回目の受験で感じた違いや、合格後に得られた安心感・自信、さらには周囲のサポートを活用することの重要性にも触れ、受験を通じて得られた学びや心構えもご紹介します。
「本番で実力を発揮したい」「合格までの心の準備を知りたい」という方にとって、実際の合格者だからこそ伝えられる、具体的で参考になる内容となっています。
C.S(20代女性・ロースクール修了1年目)
2025年夏よりプロスパイア法律事務所でインターン中。趣味は好きなバンドのライブに行くこと。最近は餃子好きが高じて餃子グッズ集めにいそしんでいます。司法修習の修習地第1希望はもちろん宇都宮です!
経歴紹介
プロフィール
令和5年明治学院大学法学部卒業。令和7年明治大学専門職大学院法務研究科修了。
大学では法曹コースを活用し大学3年次に卒業後、特別選抜入試にてロースクールに進学した。
ロースクール2年目には令和6年度の司法試験に在学中受験で挑戦するも不合格となるが、ロースクール修了後1回目の令和7年度司法試験で見事合格を果たした。
選択科目は労働法。なお、予備試験の受験経験はない。
大学時代からロースクール時代を通じて、成績は特段上位ではなく中の中から中の上を維持。中学生の頃から、具体的な職業はまだ意識していなかったものの、司法試験を受けることを考えていた。
法律家を志したきっかけ
中学生の頃から法律に関心を持ち、法律家を志して勉強を続けてきた。公民の授業で法律に興味を抱いたことがきっかけであり、高校・大学を経てロースクールに入学した。
ロースクールでは授業や実務家教員との交流を通じて法律家の職務内容への理解を深め、その魅力を実感したことが、司法試験合格への道を歩む原動力となった。
司法試験当日の様子
受験当日の流れと心構え

ー司法試験当日は、どのように会場入りし、試験に臨む準備を整えていましたか。移動や会場での工夫なども含めて教えてください。
C.S:当日は、普段通り実家から会場に向かいましたが、電車の遅延などに備えて、十分な余裕をもって到着するように心がけました。開場時間や集合時間、試験開始時間がそれぞれ設定されているため、開場時間の1時間前には会場に着き、会場付近で論証集を眺めながら待機していました。
試験会場は、TKC予備校の模試で事前に使用したことがあったため、建物の構造や導線を把握していました。これにより、お手洗いまでの導線や穴場の場所を確認し、当日に時間を無駄にしないよう準備できたことは非常に大きかったと感じています。お手洗いの列の形成のされ方や空いている階の確認、エスカレーターより非常階段の方が早いといった細かい作戦も事前に考慮しました。
ー本番で力を発揮するために、直前期や当日に特に意識していたことは何ですか?
C.S:試験当日に最善のパフォーマンスができるよう、1~2週間前からは当日と同じ時間に起きて行動する生活リズムを整えていました。前日は最終確認程度に留め、早めに帰宅して早めに就寝するようにしました。ホテルに泊まることも検討しましたが、寝坊のリスクを避けるため実家から通う選択をしました。
2回目の受験時は、それまでの自分の勉強量や内容に自信があったことに加え、模試の結果も良好だったため、試験中も落ち着いて臨むことができました。「あの問題は分からなかったが、これだけ準備してきた自分でも分からないのだから、きっと他の受験生も同じ状況だろう」「あの問題はできなかったが、この問題は解けたはず。全体で見ればプラスマイナスゼロ、いやプラスになるはず」といった感覚で、冷静に対応することができました。
1回目受験と2回目受験の違い
ー1回目と2回目の司法試験を振り返って、合格までの差はどのような点にあったと思いますか。勉強時間や準備の仕方など教えてください。
C.S:1回目の受験と2回目の受験の差は、やはり勉強時間の差にあると感じています。在学中に受験した際は、知識や準備に割ける時間が圧倒的に限られていたため、私は現場で考えて答案を書く技術を磨くことで何とか戦える状態に持っていきました。その結果、あと少しで合格の惜しいところまで到達することができました。
どれだけ効率的に勉強しても、最低限必要な知識や準備は欠かせません。1回目受験時の勉強方法自体は間違っていなかったと考えていますが、単純に時間が不足していたのだと思います。もしもっと早い時期から同じように勉強できていれば、合格できた可能性もあったと感じます。
一方で、2回目の受験では、1回目で身につけた答案技術に加え、1年間で蓄積した知識もあったため、非常に自信を持って試験に臨むことができました。
合格後の心境と司法試験を通じて得たもの
合格を知った際に最初に感じたこと

ー合格を知ったとき、どのような気持ちでしたか。
C.S:合格発表を受けて最も強く感じたのは、「ああ、よかった」という安心感でした。今年は在学中の受験と比べて、自分でも力がついている自覚があり、試験当日も昨年より良い答案が書けたという自信がありました。もし今回落ちていた場合、翌年に確実に合格するために何をすればよいのか見通しが立たず、不安が大きかったと思います。自分としては、伸びしろがそれほど残っていないと感じていたため、合格できたことへの安堵は非常に大きかったです。
司法試験を通じて得たもの
ー司法試験の受験を通して、ご自身が得たものは何だと思いますか?
C.S:司法試験の受験を通して私が得たものは、「一つの物事を最後までやり抜く力」と「周りの手を借りてもよいという意識」だと感じています。実は、今まで自分で「やり切った!」と胸を張れる経験はあまりありませんでした。計画を立てて継続することが苦手で、高校時代の部活や大学受験でも、その傾向は顕著でした。
例えば、中学・高校では吹奏楽部でクラリネットを演奏していましたが、自分の練習のセンスには自信がなく、客観的にはそうでなくても同期の中で自分が一番下手だと感じていました。しかし、努力を増やすことはせず、サブ的なポジションで満足してしまうことが多かったのです。振り返ると、もっと頑張りようがあったと思います。
また、大学受験では部活を理由に勉強をおろそかにしたこともあり、志望校に入ることはできず、入試の時に初めてキャンパスに足を踏み入れるレベルの大学に入学することになりました。しかし、法曹コースで学習しながらロースクールは提携制度を利用して入学することができたので結果的にはよかったかもしれません。
司法試験の勉強に関しても、私は自分に勉強センスがない自覚があり、大学やロースクールでの成績も平凡だったので、合格できるかどうか不安でした。
しかし、ほぼ毎日のように自習室に通い、地道に努力を積み重ねることで、初めて「継続してやり切る力」を実感できました。その結果、司法試験に無事合格できたことは、自分にとって大きな自信となりました。
また、高校受験や大学受験の際は、塾を利用することはあっても、授業以外で先生を頼って個別指導を受ける発想はありませんでした。しかし、ロースクールに入学して、周りには私より優秀な同期や、実際に司法試験に合格した弁護士の先生方がたくさんいました。その環境のおかげで、周りの手を借りることの重要性を学ぶことができました。
最初は時間を取らせてしまうことに申し訳なさを感じましたが、頼った方々は皆優しく面倒見がよく、嫌な顔せず対応してくれました。そのおかげで、遠慮なく他人を頼ることができるようになりました。実際に、弁護士の先生方の指導のおかげで合格することができたので、周りの手を借りることの効果を実感しました。
これから受験を目指す方へ

ーこれから司法試験受験を目指す方へメッセージをお願いします。
C.S:私が司法試験に合格して感じたのは、合格できるかどうかの分岐点は大きく分けて2つあるということです。1つ目は「努力ができるかどうか」、そして2つ目は「正しい方向に努力ができるかどうか」です。
1つ目の分岐点については、自分のマインド次第だと思います。本当に合格したいのであれば、自分に厳しく、手間がかかることでも面倒くさがらずに努力を続けることが必要です。私自身も元々は自分に甘い性格でしたが、このままでは司法試験に合格できないと思い、あえて自分を追い込む状況を作り出すことで、努力を継続できました。
2つ目の分岐点については、自分一人の力だけでは限界があると感じています。そのため、自分の能力をしっかり分析し、過信せず、時には周りの力を借りることが大切です。司法試験に合格するための勉強方法に絶対的な正解はないと思います。いろいろな人の話を聞き、自分で試行錯誤しながら、自分にとっての正解を見つけていくことが重要です。その際、客観的に自分の努力の方向性を確認するために周囲の力を活用することが効果的だと思います。
最後に、司法試験は自分で思っているよりも合格することができる試験だと思うので、諦めずに最後まで頑張って欲しいです。
おわりに
今回は、司法試験当日の過ごし方や心構え、1回目と2回目の受験の違い、そして合格後に得られた学びについてご紹介しました。受験生の皆さまにとって参考になるよう、試験当日の移動や会場での工夫、生活リズムの整え方、模試の活用法など、具体的な準備のポイントも取り上げています。
さらに、合格までの過程で身についた「やり抜く力」と「周囲の力を借りる意識」といった学びもご紹介。これから司法試験を目指す方にとって、努力の方向性やモチベーション維持のヒントになる内容となっています。
全3回の合格体験記を通して、これからの受験生の皆さまにとって少しでも参考になり、励みになるものとなれば幸いです。
プロスパイア法律事務所メディア編集部
2024年4月に開業した法律事務所。ベンチャー企業法務、インターネット・IT企業法務、風評被害対策法務、インフルエンサー法務等を中心に幅広いサービスを提供しており、半蔵門駅徒歩1分の千代田区一番町に事務所を構えている。
司法試験合格体験記 全3回
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