Cookie規制への対応は、Webサイト運営者にとって喫緊の課題です。改正個人情報保護法の施行により、Cookie利用に関するルールが厳格化され、違反した場合には厳しい罰則が科される可能性があります。
この記事では、Cookie規制とは何か、その背景にあるプライバシー保護の重要性、具体的な規制内容、そして事業者として取るべき対策を分かりやすく解説します。
Cookie規制とは何か
Cookie規制とは、ウェブサイトが利用者のブラウザに保存するCookieの利用について、一定のルールを設ける規制のことです。近年、個人情報保護の重要性が高まる中で、Cookieによる個人情報の収集や利用に関する懸念も大きくなっています。Cookie規制は、利用者のプライバシーを保護し、より安全なインターネット環境を実現することを目的としています。
そもそもCookieとは何か
Cookieの基本的な仕組み
Cookieとは、ウェブサイトが利用者のブラウザに送信し、保存される小さなファイルのことです。ウェブサイトは、このCookieを利用することで、利用者のウェブサイトへのアクセス状況などを記録することができます。
例えば、ログイン情報やショッピングカートの内容、閲覧履歴などが保存されることで、ウェブサイトは利用者にとってより便利でパーソナライズされたサービスを提供することが可能になります。
Cookieは、ウェブサイトにアクセスした際にブラウザに送信され、ブラウザはそれを保存します。次回同じウェブサイトにアクセスした際に、ブラウザは保存されているCookieをウェブサイトに送信します。これにより、ウェブサイトは利用者を識別し、過去のアクセス情報に基づいたサービスを提供することができます。
Cookieの種類
Cookieには主に、ファーストパーティCookieとサードパーティCookieの2種類があります。
ファーストパーティCookie
ファーストパーティCookieは、アクセスしているウェブサイトのドメインによって設定されるCookieです。例えば、example.comというウェブサイトにアクセスした場合、example.comドメインによって設定されるCookieがファーストパーティCookieです。このCookieは、ウェブサイトの機能を向上させたり、利用者の設定を保存したりするために使用されます。例えば、ログイン情報の保存やショッピングカートの内容の記憶などが挙げられます。
サードパーティCookie
サードパーティCookieは、アクセスしているウェブサイトのドメインとは異なるドメインによって設定されるCookieです。例えば、example.comというウェブサイトにアクセスした際に、ad.example.netというドメインによって設定されるCookieがサードパーティCookieです。このCookieは主に広告配信やアクセス解析などに利用されます。
サードパーティCookieは、複数のウェブサイトを横断して利用者の行動を追跡できるため、プライバシー上の懸念が高いとされています。
Cookieの種類 | 設定者 | 主な用途 | プライバシーへの影響 |
---|---|---|---|
ファーストパーティCookie | アクセス中のウェブサイト | ウェブサイトの機能向上、利用者の設定保存 | 比較的低い |
サードパーティCookie | アクセス中のウェブサイト以外のウェブサイト | 広告配信、アクセス解析 | 比較的高い |
このようなCookieの仕組み自体についてや、Cookieの種類、ファーストパーティーCookieとサードパーティCookieの違いについては、以下の記事にて詳しく解説しています。
「Cookieの規制に関する法律」のような法律があるわけではない
日本においては、「Cookie法」や「Cookieの規制に関する法律」のような特別の法律が用意されているのではなく、既存の法律に対して、近年の法改正で追加されたCookieを想定している規制部分のことを、一般に「Cookie規制」と呼んでいます。
具体的には、
- 2022年4月に改正された個人情報保護法
- 2023年6月に改正された電気通信事業法
の該当部分が、Cookie規制と呼ばれているものになります。
海外のCookie規制
EU(欧州連合)では、以下のような各法規範によって、Cookie規制が図られています。
- ePrivacy指令
- EU域内における電子通信サービスにおける個人データ処理とプライバシーの保護に関する指令
- 各事業者等に対して直接義務を課すのではなく、各加盟国に対して、同指令に基づいた国内法の制定を求めている
- 厳格に必要なCookieを除き、Cookie利用時の明確かつ包括的な説明及び同意取得を義務化するという内容
- GDPR(一般データ保護規則)
- EU域内の個人データやプライバシーの保護一般に関する規則
- Cookieを含む個人データの処理時の条件や同意取得の要件等を厳格化する内容
米国においては、米国内全域に適用される「連邦法」にはCookieに関する規制は存在しませんが、州法レベルではCookieに関する規制を定めている州もあります。
- CPRA(カリフォルニア州プライバシー法)
- カリフォルニア州の州法
- 個人情報の保護一般について規定している
- Cookieを含む個人情報の収集時または収集前の情報提供義務を課すもの
- ユーザーが個人情報を第三者に販売されるのを止めたいときやその他共有されるのを止めたい場合に利用停止できる仕組みを義務化している
- VCDPA(バージニア州消費者データ保護法)
- バージニア州の州法
- 個人情報の保護一般について規定している
- 個人データが第三者に販売される場合等の利用停止権の行使方法について明確かつ目立つように開示するように義務化している
- CPA(コロラドプライバシー法)
- コロラド州の州法
- 個人情報の保護一般について規定している
- 個人データが第三者に販売される場合等の利用停止権の行使方法について明確かつ目立つように開示するように義務化している
日本のCookie規制の内容
日本のCookie規制は、現状、改正個人情報保護法と改正電気通信事業法の規制から成ります。Cookie利用に関する透明性を高め、ユーザーの同意に基づいたデータ活用を促進することが目的です。
具体的には、日本のCookie規制の全体像は以下のような内容となります。
詳細は以下をご参照ください。
個人情報保護法の規制
個人情報保護法における「Cookie」の位置付け
前述のように、Cookieとは、ウェブサイトが利用者のブラウザに送信し、保存される小さなファイルのことで、Cookie自体に、ユーザーの氏名や住所などの情報が記載されているわけではありません。
しかし、Cookieの情報を事業者側のデータと照らし合わせることで、このユーザーがこのウェブサイトを訪れるのは何度目か、前回の商品購入履歴はどのようなものか、などの識別が可能になる場合があります。
そして、個人情報保護法の規制の対象となる「個人情報」とは、生存する個人に関する情報で、氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレスなど、特定の個人を識別できるものを指し、氏名などの情報単体だけでなく、他の情報と容易に照合することができて、それによって特定の個人を識別できる情報も個人情報に含まれます。
個人情報保護法自体についての解説は、以下の記事で詳しく説明しておりますので、参考までにご参照ください。
また、2022年4月の改正個人情報保護法では、新しく「個人関連情報」という概念が新設されました。
個人関連情報とは、生存する個人に関する情報であって、個人情報、仮名加工情報及び匿名加工情報のいずれにも該当しないものをいうと定義されており(個人情報保護法2条7項)、ウェブサイトの閲覧履歴や個人の位置情報等が想定されています。
第二条(定義)
個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)
1 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
(略)
7 この法律において「個人関連情報」とは、生存する個人に関する情報であって、個人情報、仮名加工情報及び匿名加工情報のいずれにも該当しないものをいう。
(略)
つまり、Cookieは、個人情報保護法上、他の情報と容易に照合することができ、それによって特定の個人を識別できる場合には、「特定の個人を識別できるもの」に該当するため、個人情報となり、特定の個人を識別できない場合には、個人関連情報となる、という位置づけとなります。
個人関連情報に関する規制
Cookieが個人情報に該当する場面では、氏名や住所等と同様、個人情報保護法の規制を受けることとなります。
この場合の規制について、詳細は個人情報保護法一般について解説をした以下の記事をご参照ください。
他方、Cookieが個人関連情報に該当する場合、以下の両方の条件を満たす場合に規制の対象となります。
- 個人関連情報であるCookieデータを第三者に提供する場合
- 提供先第三者にとってはそのCookieデータが(個人関連情報ではなく)個人情報に該当する場合
以上の条件を満たす場合には、以下の措置をとった上でしか、第三者に提供してはならないものとされています。
- 第三者が個人関連情報であるCookieデータの提供を受けることで、当該第三者にとっては本人が識別される個人データとしての取得となることを認める旨の当該本人の同意が得られていること
- 提供先の第三者が外国の者である場合には、上記の本人の同意を得ようとする場合において、あらかじめ、当該外国における個人情報の保護に関する制度、当該第三者が講ずる個人情報の保護のための措置その他当該本人に参考となるべき情報が当該本人に提供されていることをあらかじめ確認すること
つまり、Cookieは、Cookieを取得する事業者にとって個人情報保護法上の個人情報に該当する場合には、当然個人情報保護法の規制を受けるし、個人情報に該当しない場合であっても、Cookieデータを第三者に提供する場合でかつその第三者にとっては個人情報に該当するという場合には、個人関連情報として、上記のような一定の規制(「第三者に提供予定で、第三者からすると個人情報としての取得に該当すること」の事前の同意取得義務)を受けるということです。
電気通信事業法の規制
2023年6月に施行された改正電気通信事業法では、サードパーティCookieを含むユーザーの端末に対して、ユーザーに関する情報を外部に送信することを指示するプログラム等を送信する場合に適用される規制が設けられました。
この規制は、一般に外部送信規律と呼ばれていますが、主にサードパーティCookieを想定したものであることから、Cookie規制と呼称されることもあります。
外部送信規律の対象
すべての事業者が、Cookie規制のうち、電気通信事業法の外部送信規律の対象となるのではなく、以下の事業者が対象となります。
- 電気通信事業者または第三号事業を営む者であること
- 事業の内容・利用者の範囲・利用状況を勘案して、利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定める電気通信役務を提供していること
具体的には、以下のようなサービスの運営事業者が規制の対象となります。
- 利用者間のメッセージ媒介等(同条第1号)
- SNS、電子掲示版、動画共有サービス、オンラインショッピングモール等(同条第2号)
- オンライン検索サービス(同条第3号)
- ニュース配信、気象情報配信、動画配信、地図等の各種情報のオンライン提供(同条第4号)
外部送信規律の内容
外部送信規律の対象となる事業者は、ユーザーの電気通信設備(≒PCやスマートフォン)に記録された利用者情報を、他人の電気通信設備に送信するように指示する通信を行う際に、以下の情報を通知又は公表しなければならないものとされています。
- 送信されることとなる利用者に関する情報の内容
- 1の情報を取り扱うこととなる者の氏名又は名称
- 1の情報の利用目的
Cookie規制の対象となる具体的な場面
以下のケースでは、Cookie利用にあたり、個人情報保護法の観点から、ユーザーからの同意取得が必須となります。
ケース | 説明 | 例 |
---|---|---|
個人を特定できる情報を含むCookieの利用 | ユーザーの氏名、住所、電話番号などの個人情報と紐づけてCookieを利用する場合 | 会員制サービスにおけるログイン情報、ECサイトにおける購入履歴 |
ターゲティング広告配信を目的としたサードパーティCookieの利用 | ユーザーのWeb閲覧履歴などを基に、パーソナライズされた広告を表示するためにCookieを利用する場合 | 行動ターゲティング広告、リターゲティング広告 |
アクセス解析を目的としたサードパーティCookieの利用(ただし、個人を特定できない集計・統計データ取得の場合は除く) | ユーザーのWebサイト訪問状況などを分析するためにCookieを利用する場合。ただし、個人が特定できない形式で集計・統計データを取得する場合は同意不要。 | Googleアナリティクスによるアクセス解析(個人を特定できる情報を含まない場合) |
同意取得の方法
Cookie利用の同意を取得するには、ユーザーがCookieの利用目的や種類を理解した上で、自由に同意の意思表示を行える方法を採用する必要があります。主な方法としては、以下の2つが挙げられます。
同意バナーの実装
Webサイトにアクセスした際に、Cookie利用に関する告知と同意ボタンを表示するバナーを設置する方法です。バナーには、Cookieの利用目的や種類、同意しない場合の影響などを明記し、ユーザーが明示的に同意ボタンをクリックすることで同意を得ます。同意しない場合は、Cookie利用を制限する必要があります。
同意管理プラットフォームの活用
Cookieの同意管理を専門に行うプラットフォームを利用する方法です。これらのプラットフォームは、Cookieの種類ごとに同意設定を管理する機能や、同意情報を記録・管理する機能などを提供しています。導入することで、効率的にCookie規制に対応することが可能です。
同意管理プラットフォームの例としては、以下のようなものがあります。
事業者としてのCookie規制への対策
Cookie規制は、ウェブサイト運営者にとって無視できない重要な課題となっています。適切な対応を怠ると、法的リスクだけでなく、ユーザーの信頼を失墜させ、ビジネスに悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、Cookie規制の内容を理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。
Cookie規制への対応が必要な理由
Cookie規制への対応は、法律遵守の観点だけでなく、ビジネスの持続可能性を高める上でも重要です。主な理由としては以下の点が挙げられます。
- 法的リスクの回避:改正個人情報保護法では、適切な同意取得なしに特定のCookieを利用した場合、罰則が科せられる可能性があります。事業者は、法令違反による制裁リスクを最小限に抑える必要があります。
- ユーザーの信頼獲得:プライバシー保護への意識が高まる中、ユーザーは自身のデータがどのように扱われているかを重視しています。透明性の高いCookie運用を行うことで、ユーザーの信頼を獲得し、良好な関係を築くことができます。
- ブランドイメージの向上:プライバシー保護に積極的に取り組む姿勢を示すことは、企業のブランドイメージ向上に繋がります。倫理的なデータ活用は、企業の社会的責任を果たす上でも重要な要素です。
具体的な対応策
Cookie規制に適切に対応するためには、以下の具体的な対策を実施することが重要です。
Cookieポリシーの作成と明示
ウェブサイトで利用しているCookieの種類、利用目的、第三者への提供の有無などを明確に記載したCookieポリシーを作成し、ユーザーが容易にアクセスできる場所に明示する必要があります。Cookieポリシーは、ユーザーとの信頼関係を構築する上で重要な役割を果たします。具体的には、Cookieの種類ごとに利用目的を明確化し、技術的に複雑な内容を分かりやすく説明することが重要です。
また、Cookieポリシーへのアクセス方法を分かりやすく明示することで、ユーザーの利便性を高めることができます。例えば、フッター部分にCookieポリシーへのリンクを設置することが一般的です。
同意管理ツールの導入
ユーザーからCookie利用の同意を取得するためのツールを導入することで、同意取得プロセスを効率化し、法令遵守を徹底することができます。同意管理ツールは、ユーザーにCookie利用の可否を選択する機会を提供し、選択結果を記録することで、透明性の高いCookie運用を実現します。
多くのツールは、カスタマイズ可能な同意バナーの表示や、同意履歴の管理などの機能を備えています。適切な同意管理ツールを選択することで、Cookie規制への対応コストを削減し、運用効率を高めることができます。
Cookieの利用状況の監査
定期的にウェブサイトで利用されているCookieの状況を監査し、Cookieポリシーとの整合性や、不要なCookieの利用がないかを確認することが重要です。監査結果に基づいてCookieの利用状況を最適化することで、プライバシーリスクを低減し、ユーザーの信頼を維持することができます。
監査項目としては、Cookieの種類、利用目的、保存期間、第三者への提供の有無などが挙げられます。また、監査結果を記録し、改善策を実施することで、継続的なプライバシー保護体制を構築することが重要です。
Cookie規制に違反した場合のリスク
Cookie規制に違反した場合、以下のリスクが想定されます。
リスク | 内容 |
---|---|
行政処分 | 個人情報保護委員会による勧告、命令、罰金などの行政処分を受ける可能性があります。 |
レピュテーションリスク | 企業の評判が低下し、ブランドイメージに悪影響を及ぼす可能性があります。 |
訴訟リスク | ユーザーから損害賠償請求訴訟を起こされる可能性があります。 |
これらのリスクを回避するためには、Cookie規制の内容を正しく理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。常に最新の情報に注意を払い、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることも有効です。
Cookie規制の今後の展望
Cookie規制はプライバシー保護の観点から今後も変化していく可能性が高いと言えるでしょう。改正個人情報保護法の施行後も、技術の進歩や社会情勢の変化に応じて、更なる法改正やガイドラインの改訂が行われる可能性があります。
ここでは、Cookie規制の今後の展望について、法改正の可能性、プライバシーサンドボックスの動向という2つの観点から解説します。
今後の法改正の可能性
個人情報保護委員会は、改正個人情報保護法の施行状況や技術動向、諸外国の規制などを注視し、必要に応じて法改正やガイドラインの見直しを行うとしています。具体的には、Cookie利用に関する同意取得の方法や範囲、違反した場合の罰則などについて、より具体的な規定が追加される可能性があります。
また、技術の進化に伴い、Cookie以外のトラッキング技術についても規制対象となる可能性も考えられます。常に最新の情報に注意を払い、法令遵守を徹底することが重要です。
プライバシーサンドボックスの動向
Googleが主導するプライバシーサンドボックスは、Cookieに依存しない新たなWeb広告技術の開発を目指しています。プライバシーサンドボックスの進展は、Cookie規制の将来を大きく左右する可能性があります。
これらの技術が実用化されれば、Cookieのような個人を特定しやすい情報を利用せずに、パーソナライズ広告の配信が可能になると期待されています。プライバシーサンドボックスの動向を注視し、新たな技術への対応を検討していく必要があるでしょう。
技術 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
Federated Learning of Cohorts (FLoC) | ユーザーを興味関心に基づいてコホートと呼ばれるグループに分類し、グループ単位で広告を配信する技術 | 個々のユーザーを特定せずに広告配信が可能 | コホートによるプライバシー侵害のリスク |
Topics API | ブラウザがユーザーの閲覧履歴に基づいて興味関心のあるトピックを推定し、広告配信に利用する技術 | FLoCよりもプライバシー保護に配慮した設計 | トピックの精度や透明性に関する課題 |
Fenced Frames | 広告配信に関わる情報を制限されたiframe内で処理することで、クロスサイトトラッキングを防ぐ技術 | サイト越しのトラッキングを制限 | 実装の複雑さ |
これらの技術はまだ開発段階であり、今後の動向は不透明です。しかし、プライバシーサンドボックスはCookie規制の将来を大きく左右する可能性があるため、継続的に情報収集を行い、適切な対応を検討していくことが重要です。
まとめ
この記事では、日本のCookie規制について、その内容や事業者としての対策を中心に解説しました。Cookieとは、ウェブサイトがユーザーのブラウザに保存する小さなデータであり、ユーザーの閲覧履歴や設定などを記憶するために利用されます。Cookieには、ウェブサイトの運営者自身が設定するファーストパーティCookieと、広告配信などを行う第三者によって設定されるサードパーティCookieがあります。
改正個人情報保護法や改正電気通信事業法により、Cookie利用に関する規制が強化されました。特に、個人を識別できる情報を含むサードパーティCookieの利用には、ユーザーの同意が必要となります。同意を得るためには、Cookieバナーを表示したり、同意管理プラットフォームを活用するなどの方法があります。事業者は、Cookieポリシーを作成・明示し、同意管理ツールを導入、Cookieの利用状況を監査するなどの対策を講じる必要があります。これらの対策を怠ると、行政処分やレピュテーションリスクなどのリスクに直面する可能性があります。
今後、Cookie規制はさらに強化される可能性があり、プライバシーサンドボックスといった新たな技術の動向も注目されます。事業者は、常に最新の情報に注意を払い、適切な対応を行うことが重要です。