YouTubeのアカウント停止・削除(垢BAN)がされるリスク!ガイドライン違反について解説

インフルエンサー法務

YouTuber・Vtuberが動画配信するために利用するYouTubeでは、特定の行為を行うと開設したYouTubeチャンネルやアカウントが停止することがあります。

俗に垢BANとも言われるYouTubeチャンネル・アカウントの停止はこれまで頑張って動画を作り、フォロワーを増やしてきたのが無駄になってしまうことになるので、これは避けなければなりません。

そのため、どのようなことを行うとYouTubeチャンネル・アカウントが停止するのかを知っておく必要があります。

このページでは、どのようなことをするとYouTubeチャンネルやアカウントが停止するのかについて詳しくお伝えします。

※本記事は、令和6年8月16日時点の情報に基づいて執筆されています。

YouTubeチャンネル・アカウントの停止の2つの原因

YouTubeチャンネル・アカウントが停止する原因として大きく分けると2つの原因が挙げられます。

  • コミュニティガイドラインに違反した
  • 法令に違反した(特に著作権侵害の申立てがあるなど)

YouTubeの利用にあたっては、すべてのユーザーが YouTube を楽しく利用できるように、ルールを策定しています。

このルールが「コミュニティガイドライン」で、これに違反するユーザーはYouTubeチャンネル・アカウントが停止される可能性があります。

また、著作権を侵害する行為を行うユーザーに対しても同様にYouTubeチャンネル・アカウントの停止の措置が行われます。

以下、それぞれの具体的内容について確認しましょう。

コミュニティガイドライン違反

YouTubeコミュニティガイドライン

コミュニティガイドラインに違反した場合には、YouTubeチャンネル・アカウントの停止がされる可能性があります。

YouTubeチャンネル・アカウントの停止の対象となるコミュニティガイドライン違反は、まず次の5つに分類されます。

  • スパムと欺瞞行為
  • デリケートなコンテンツ
  • 暴力的または危険なコンテンツ
  • 規制品
  • 誤った情報

スパムと欺瞞

信頼の上に成り立つコミュニティであるYouTubeコミュニティです。

そのため、他のユーザーに誤解を与えたり、詐欺、スパム、不正を行ったりすることを目的としたコンテンツはガイドラインによって許されていません。
さらに細かく以下のようなポリシーがあります。
次のような行為によってスパム・欺瞞にあたるとされます。

デリケートなコンテンツ

YouTubeでは、閲覧する人や投稿する人、特に未成年者の保護のため、ヌードや性的なコンテンツ、自傷行為が目に触れないようルールを制定しています。

暴力的または危険なコンテンツ

YouTubeでは、ヘイトスピーチ・搾取行為・暴力的な描写・悪意のある攻撃や・有害で危険な行為を助長するコンテンツの投稿が禁止されています。

具体的には次の行為です。

規制品

一部の商品はYouTubeで販売することを禁止されています。

禁止される商品の販売や、商品へのリンクをはる、利用促進を目的とするコンテンツをアップロードすると、YouTubeチャンネル・アカウントの停止の対象となります。

禁止されるものとして次のものがあります。

参照:違法または規制対象の商品やサービスの販売に関するポリシー
参照:銃火器に関するポリシー

  • アルコール・タバコ
  • 覚せい剤や麻薬などの規制薬物
  • 爆発物
  • 臓器
  • 銃器や銃器のアクセサリー
  • Google または YouTube による審査が完了していないオンラインギャンブルサイト
  • 処方箋なしで手に入れられる薬
  • 性的サービスやデートクラブ
  • 無資格の医療サービス
  • 密入国あっせん

特にアルコール・タバコについては規制があることを知らないで紹介してしまうことがあるので注意をしましょう。

誤った情報

誤った情報・誤解を招くコンテンツの投稿はYouTubeでは禁止されています。

次のようなコンテンツが該当します

参照:誤った情報に関するポリシー
参照:選挙の誤った情報に関するポリシー
参照:医学的に誤った情報に関するポリシー

  • 国勢調査に関する時間・場所・方法・資格要件について参加者を誤解させることを目的としたコンテンツ
  • 誤解をまねくような切り抜き・クリップ
  • 過去の事象を現在の事象のものであると主張するコンテンツ
  • 投票の時間・場所・方法・投票資格の要件について有権者を誤解させることを目的としたコンテンツ、または投票を著しく妨げる可能性のある虚偽の主張
  • 現在の選挙候補者の被選挙権の要件や、現職政府職員の法的な適格性の要件に関して誤った主張を助長させるコンテンツ
  • 投票手続きを邪魔したり干渉したりするような、民主的な手続きに対する妨害行為を他者に促すコンテンツ
  • は特定の健康状態の予防または拡大、現在承認および接種されているワクチンの安全性、有効性、成分に関して、衛生機関のガイダンスと矛盾する情報を宣伝するコンテンツ
  • 特定の健康状態に対する治療について、衛生機関のガイダンスと矛盾する情報を宣伝するコンテンツ(地域の公衆衛生機関や世界保健機関が安全または効果的と承認しておらず、深刻な危害をもたらすことが確認されている特定の有害物質や行為の宣伝を含む)
  • 特定の健康状態の存在を否定するコンテンツ

コミュニティガイドラインで禁止されるコンテンツのまとめ

YouTubeのコミュニティガイドラインで禁止された内容について、プロスパイア法律事務所では、エクセルのチェックリストをご用意しています

こちらのチェックリストは無料配布を行っておりますので、ご興味ありましたら以下のリンクからダウンロードいただけますと幸いです。

コミュニティガイドライン違反の違反警告

コミュニティガイドラインに違反した場合、違反警告を受けることになります。
違反警告の結果YouTubeチャンネルの削除がされることになるので、違反警告の流れを確認しましょう。

事前警告

最初のコミュニティガイドライン違反については原則として事前警告が発出されます

この事前警告に対しては、ポリシーに関するトレーニングを受講することで、この事前警告は 90 日後に失効します。

もっとも、コミュニティガイドライン違反があまりにも悪質である場合には、事前警告なしにYouTubeチャンネル・アカウントの停止が行われることもあります

この事前警告がYouTubeの誤りである場合には、再審査請求ができます。

1回目の違反警告

事前警告を受けた後に再度コミュニティガイドラインに違反すると、1回目の違反警告が行われます。
1回目の違反警告を受けると下記のことが1週間行えなくなります

  • 動画やライブ配信をアップロードする
  • スケジュールされたライブ配信を開始する
  • 動画の公開スケジュールを設定する
  • プレミア公開を設定する
  • 今後予定されているプレミア公開またはライブ配信の予告編を追加する
  • カスタム サムネイルまたはコミュニティ投稿を作成する
  • 再生リストの作成、編集、共同編集者の追加
  • 動画再生ページで [保存] ボタンを使用して、再生リストを追加または削除する
YouTube のコミュニティ ガイドラインの違反警告に関する基礎知識

この1週間のペナルティ期間中は、公開しているコンテンツはすべて非公開となり、1週間経過後に再度公開をする必要があります。

1週間後には解除されますが、違反警告は90日間チャンネルに残ることになります

2 回目の違反警告

最初の違反警告から 90 日以内に 2 回目の違反警告を受けると、コンテンツを 2 週間投稿できなくなります。
2週間後には解除されますが、違反報告は90日間有効となります。

3 回目の違反警告

90 日以内に 3 回目の違反警告を受けると、YouTubeチャンネルは YouTube から永久に削除されます

YouTubeチャンネル・アカウント停止となる理由

上記の警告違反によるYouTubeチャンネル・アカウント停止以外にも、次のような理由でYouTubeチャンネル・アカウントが停止することがあります。

  • 各種コンテンツで、コミュニティ ガイドラインまたは利用規約の違反行為を繰り返した。
  • 搾取行為、スパム行為、ポルノの投稿などの悪質な嫌がらせ行為を行った
  • ヘイトスピーチ、ハラスメント、なりすましなどポリシー違反を主に行っている場合

これらの行為については、事前警告違反警告などが行われず、突然YouTubeチャンネル・アカウントが停止します。

YouTubeチャンネル・アカウントに対するペナルティの種類

YouTubeチャンネル・アカウントに対しては停止のほかにも次のようなペナルティがあります。

  • アカウントの一時的な停止
  • 動画の削除非公開
  • YouTubeチャンネルでの収益が無効となる
  • YouTubeチャンネル・アカウント停止
  • アドセンスアカウントも停止される

YouTubeチャンネル・アカウントが停止するほかには、問題となる動画だけが削除される、アカウントが一定期間停止する場合や、動画による収益化ができなくなること、が挙げられます。

また、YouTubeチャンネルやアカウントだけではなく、Googleが配信するコンテンツ連動型広告配信サービスであるAdSenseのアカウントも含めて停止することがあります。

ブログやWebサイトなどにAdSenseを掲載している場合には、その収益や将来の広告掲載もできなくなるので注意が必要です。

著作権侵害等の法令違反を行った

著作権侵害をはじめとする違法な行為を行った場合にもYouTubeチャンネル・アカウントの停止の対象となります。

著作権違反がYouTubeにわかる仕組み

著作権違反がYouTubeにわかる仕組みとして、次の2つのものがあります。

ContentIDによる申し立て

YouTubeが独自に構築した著作権管理システムがContentIDです。

ContentIDは、YouTubeに投稿されたコンテンツからデータベースを作成し、YouTube上に投稿されたすべてのコンテンツと照合して、著作権違反がないかを検知するシステムです。

ContentIDによって登録されているコンテンツと一致する部分があった場合、自動ないし手動で著作権違反の申立てを行います。

著作権者による著作権侵害の申し立て

著作権者からの著作権侵害の申し立てがYouTubeに対して行われることによって、YouTubeが動画の削除を行います。

著作権侵害が行われた場合のYouTubeチャンネル・アカウント停止

著作権侵害が行われた場合にYoutbeチャンネル・アカウントの停止は次のように行われます。

初めて著作権侵害の警告を受けた場合にはコピーライトスクールを受講

初めて著作権侵害の警告を受けた場合には、コピーライトスクールを受講する必要があります。

著作権の原則やYouTubeにおける著作権保護に関する原則を学び、以後著作権侵害をせず、YouTubeの著作権侵害に関するポリシーを遵守ができるようにします。

ライブ配信での著作権侵害

YouTubeでライブ配信をしたときに、ライブ配信の中で著作権侵害をした場合には、ライブ配信の利用が7日間制限されます。

ライブ配信で著作権侵害をする典型的な例として、カラオケ配信を行うこと(カラオケの音源の著作権違反となる)があります。

著作権侵害は投稿動画だけではなく、ライブ配信でも問題となるので注意しましょう。

著作権侵害の警告を3回受けた場合にはYouTubeチャンネルの停止

著作権侵害の警告を 3 回受けると、YouTubeチャンネルが停止されます。

この場合、アカウントと関連付けられているすべてのYouTubeチャンネルが停止され、アップロードされているすべての動画が削除されます。

そればかりか、そのアカウントで別のチャンネルを作成することもできません

YouTubeパートナープログラムに参加している場合

YouTubeパートナープログラムに参加している場合、著作権侵害の警告を3回受けた後、YouTubeチャンネルの停止まで7日間の猶予期間が適用されます

この間に違反警告を解除する、YouTubeに異議申し立てを行う、などが行なわれます。

この間は新しい動画のアップロードはできませんが、チャンネルは公開されたままです。

異議申し立てが認められたり、著作権侵害の申し立てが撤回されるとYouTubeチャンネルは停止することなくそのまま利用可能です。

まとめ

本記事では、YouTubeチャンネル・アカウントが停止される場合についてお伝えしました。

主にコミュニティガイドライン違反と著作権侵害が理由でYouTubeチャンネル・アカウントが停止になる可能性があることを把握して、その防止としてコミュニティガイドラインと著作権侵害に気を付ける必要があります。

YouTubeチャンネルに投稿する動画のチェックを弁護士に依頼することも検討しましょう。



本記事の担当

プロスパイア法律事務所
代表弁護士 光股知裕

損保系法律事務所、企業法務系法律事務所での経験を経てプロスパイア法律事務所を設立。IT・インフルエンサー関連事業を主な分野とするネクタル株式会社の代表取締役も務める。企業法務全般、ベンチャー企業法務、インターネット・IT関連法務などを中心に手掛ける。

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