VTuberとして活動する上で、権利関係の理解は避けて通れません。特に「自分のキャラクターの権利はどうなるのか?」「事務所と契約する場合、収益やグッズ販売はどうなるのか?」など、疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、VTuberの権利に関する基本的な知識から、キャラクターの権利、収益化、グッズ販売、事務所との関係性、そして権利侵害への対策まで、網羅的に解説します。これを読めば、VTuber活動における権利関係の全体像を掴み、安心して活動するための準備を整えることができるでしょう。
VTuberの権利とは何か

VTuber活動において、「権利」は非常に重要な要素です。自身の活動を円滑に進め、トラブルを防ぐためにも、どのような権利が存在し、どのように保護されるのかを理解しておく必要があります。
VTuber活動に関わる主な権利
VTuber活動に関わる主な権利は以下の通りです。
| 権利の種類 | 保護対象 | 具体例 |
|---|---|---|
| 著作権 | 創作物 | キャラクターデザイン、配信動画、BGM、オリジナルソング、イラスト、3Dモデル、小説、漫画など |
| 肖像権 | 個人の容姿・声 | VTuberの配信中の姿など |
| 商標権 | 商品・サービスの出所表示 | VTuberの名称、ロゴ、キャラクターの名称、キャッチコピーなど |
| パブリシティ権 | 氏名・肖像等の経済的価値 | VTuberの氏名や肖像を利用した商品販売など |
これらの権利は、創造性を保護し、公正な競争を促すために法律で定められています。権利を侵害されると、活動に支障が出たり、損害賠償請求を受けたりする可能性があります。 文化庁 著作権制度の概要や特許庁 商標審査基準で詳しく解説されています。
事務所所属VTuberと個人VTuber(個人勢)の違い
VTuberは、事務所に所属している場合と、個人で活動している場合があります。それぞれの権利関係には大きな違いがあります。
| 項目 | 事務所所属VTuber | 個人VTuber(個人勢) |
|---|---|---|
| 契約形態 | 専属契約、業務委託契約など | 契約なし(自身で全て管理) |
| 権利の帰属 | 契約内容による(事務所に帰属する場合が多い) | 自身に帰属 |
| 収益分配 | 事務所と分配 | 全額自身のもの |
| 活動の自由度 | 事務所の規定による | 比較的自由 |
| サポート体制 | 事務所によるサポートあり | 自身で全て行う必要がある |
事務所所属VTuberは、事務所との契約によって権利の帰属や収益分配などが定められます。契約内容は事務所によって異なるため、契約前にしっかりと確認することが重要です。
個人VTuberは、全ての権利を自身で管理し、収益も全額自身のものとなりますが、活動のサポートや権利管理などを全て自身で行う必要があります。 それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、活動形態を選択することが重要です。
キャラクターの権利について

VTuberの活動において、キャラクターはまさに生命線。その権利関係を正しく理解することは、活動の持続可能性と発展に直結します。キャラクターデザイン、設定、利用ガイドライン、そして権利譲渡・買い取りについて、詳細に解説します。
キャラクターデザインや3Dモデル、立ち絵等の著作権
キャラクターデザインや3Dモデル、立ち絵等の著作権は、原則として制作者に帰属します。自分でデザインした場合はもちろん、イラストレーターに依頼した場合も、契約内容によっては著作権がイラストレーターに残る可能性があります。著作権を明確化せずに活動を開始すると、後々トラブルに発展する可能性があるため、契約段階で権利の帰属を明確に定めることが重要です。
契約書を作成する際には、弁護士や専門家への相談も検討しましょう。たとえば、著作権譲渡契約を結ぶことで、VTuber自身または事務所がキャラクターデザインの著作権を所有することができます。
また、利用許諾契約を結ぶことで、特定の範囲でキャラクターデザインを利用する権利を得ることも可能です。これらの契約内容によって、グッズ制作や他社とのコラボレーションにおける権利処理も変わってくるため、注意が必要です。
参考:文化庁 著作権Q&A
キャラクター設定の著作権
キャラクター設定、例えば性格、口癖、生い立ちなどは、具体的な表現に至らないアイデアにとどまり、著作権が発生しません。ポパイネクタイ事件(最高裁判所平成9年7月14日判決)では、一定の名称、容貌、役割等の特徴を有するものとして、反復して描かれている登場人物のいわゆるキャラクターは、著作物に当たらないとの判断が下されています。
著作権法上の著作物は、「思想又は感情を創作的に表現したもの」(同法二条一項一号)とされており、一定の名称、容貌、役割等の特徴を有する登場人物が反復して描かれている一話完結形式の連載漫画においては、当該登場人物が描かれた各回の漫画それぞれが著作物に当たり、具体的な漫画を離れ、右登場人物のいわゆるキャラクターをもって著作物ということはできない。けだし、キャラクターといわれるものは、漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって、具体的表現そのものではなく、それ自体が思想又は感情を創作的に表現したものということができないからである。したがって、一話完結形式の連載漫画においては、著作権の侵害は各完結した漫画それぞれについて成立し得るものであり、著作権の侵害があるというためには連載漫画中のどの回の漫画についていえるのかを検討しなければならない。
最高裁判所平成9年7月14日判決
キャラクターの利用に関するガイドライン
VTuberのキャラクターは、配信活動だけでなく、グッズ販売、企業コラボ、イベント出演など、様々な場面で利用されます。円滑な活動と権利保護のため、キャラクターの利用に関するガイドラインを策定することが重要です。
ガイドラインには、キャラクターの使用許諾範囲、禁止事項、収益分配などが含まれます。例えば、ファンアートの範囲や商用利用の可否、二次創作のガイドラインなどを明確にすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。また、事務所所属の場合は、事務所のガイドラインに従う必要があります。
キャラクターの権利譲渡・買い取り
VTuberのキャラクターの権利は、譲渡や買い取りの対象となります。権利譲渡とは、著作権などの権利を他者に完全に移転させることを指します。一方、権利買い取りとは、権利の使用権を買い取ることを指し、著作権自体は元の権利者にとどまります。譲渡と買い取りの違いを理解し、自身の活動状況や将来の展望に合わせて適切な選択をすることが重要です。
事務所との契約における注意点
事務所に所属するVTuberは、キャラクターの権利に関して事務所と契約を結びます。契約内容によっては、キャラクターの権利が事務所に帰属する場合もあります。
契約内容をしっかりと理解し、自身の権利がどのように扱われるのかを確認することが重要です。契約期間、収益分配、キャラクターの使用権、契約解除後の権利の帰属など、細かな点まで確認しましょう。
特に、契約解除後の権利の帰属については、将来の活動に大きく影響するため、慎重に検討する必要があります。例えば、契約解除後にキャラクターの使用権を失う場合、新たなキャラクターを作成し直さなければならなくなる可能性があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 権利帰属 | キャラクターの権利がVTuberにあるか、事務所にあるかを明確にする |
| 利用範囲 | キャラクターをどのような範囲で利用できるかを明確にする(配信、グッズ販売、コラボなど) |
| 収益分配 | キャラクターを利用して得た収益をどのように分配するかを明確にする |
| 契約解除後の権利 | 契約解除後、キャラクターの権利がどうなるかを明確にする |
権利買い取りのメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 自由にキャラクターを利用できる | 高額な費用がかかる場合がある |
| 他社とのコラボレーションが容易になる | 権利管理の責任が生じる |
| グッズ販売などによる収益を最大化できる | 権利侵害への対応が必要になる |
権利買い取りにはメリットとデメリットが存在するため、自身の状況に合わせて慎重に検討する必要があります。
例えば、個人VTuberとして活動する場合、権利買い取りによってキャラクターの利用を自由にコントロールできるメリットは大きいですが、高額な費用がかかる可能性があるため、資金計画をしっかりと立てる必要があります。一方、事務所に所属するVTuberの場合は、事務所との契約内容によって権利の扱いが異なるため、契約内容をしっかりと確認することが重要です。
収益化における権利関係

VTuberの活動は、様々な方法で収益化することができます。しかし、収益化には権利関係が深く関わってくるため、しっかりと理解しておく必要があります。ここでは、配信収益の分配、グッズ販売、企業案件、事務所所属VTuberの収益分配について解説します。
配信収益の分配
VTuberの配信収益は、主にプラットフォームからの広告収入、視聴者からの投げ銭、スーパーチャット、メンバーシップ登録などから得られます。個人VTuberの場合は、これらの収益は基本的に全額VTuber自身のものとなります。しかし、事務所所属VTuberの場合は、事務所との契約内容に基づいて分配されます。
グッズ販売の権利と収益
グッズ販売は、VTuberにとって重要な収益源の一つです。グッズを制作・販売するには、キャラクターの著作権や商標権に注意する必要があります。
個人VTuberの場合は、自身でグッズを制作・販売することができます。事務所所属VTuberの場合は、事務所を通してグッズを販売することが一般的です。収益の分配は、事務所との契約内容によって異なります。
企業案件・コラボレーションにおける権利処理
企業案件やコラボレーションは、VTuberの知名度向上や収益化に繋がる大きな機会です。しかし、企業案件やコラボレーションを行う際には、権利処理が非常に重要になります。
例えば、企業のロゴやキャラクターを使用する場合、事前に許諾を得る必要があります。また、コラボレーション相手との間で、収益分配や権利の帰属について明確に契約を結ぶ必要があります。契約内容をしっかりと確認し、トラブルを未然に防ぐことが重要です。
事務所所属VTuberの収益分配
事務所所属VTuberの収益分配は、事務所との契約内容によって大きく異なります。一般的には、配信収益、グッズ販売収益、企業案件の収益などが分配の対象となります。
収益分配の割合
収益分配の割合は、事務所によって大きく異なります。中には、VTuberに有利な割合で分配している事務所もあれば、逆に事務所に有利な割合で分配している事務所もあります。契約前にしっかりと確認することが重要です。
また、契約期間中に分配割合が変更される場合もあるので、契約書をよく読んでおく必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配信収益 | YouTube、Twitchなどの配信プラットフォームからの広告収入、スーパーチャット、投げ銭など |
| グッズ販売収益 | アクリルスタンド、Tシャツ、缶バッジなどのグッズ販売による収益 |
| 企業案件収益 | 企業とのタイアップ動画制作、商品PRなどによる収益 |
| その他 | イベント出演料、ボイス販売収益など |
契約更新と収益分配への影響
事務所との契約を更新する際には、収益分配の割合が見直される場合があります。VTuberの活動実績や貢献度に応じて、分配割合が上がる場合もあれば、下がる場合もあります。契約更新前に、現在の収益分配の割合と今後の見通しについて、事務所としっかりと話し合うことが重要です。
収益分配に関するより詳細な情報は、文化庁の「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた ガイドライン」なども参考になります。

グッズ販売と権利

VTuberの活動において、グッズ販売は収益化の重要な柱であり、ファンとの繋がりを深める有効な手段です。
しかし、グッズ販売には権利関係の理解が不可欠です。不用意な行動は権利侵害につながり、活動に大きな支障をきたす可能性があります。グッズ販売における権利関係を正しく理解し、適切な対応を行うことで、安全かつ効果的なグッズ展開を実現しましょう。
グッズ制作と著作権
グッズを制作する際には、キャラクターデザインやイラスト、ロゴなどに著作権が発生します。VTuber自身がデザインした場合は自身に著作権が帰属し、外部に委託した場合は契約内容によって著作権の帰属が決定されます。
著作権を持つ権利者以外がグッズを制作・販売することは著作権侵害に該当します。無断で他者の著作物を利用したグッズ制作は絶対に避けましょう。
また、グッズのデザインに既存の著作物(アニメキャラクター、有名人の写真など)を無断で使用することも著作権侵害となります。ガイドライン上販売利用が認可されている著作権フリーの素材や、権利者から許諾を得た素材を使用するようにしましょう。
グッズ販売における商標権
VTuberの名称やロゴ、キャラクターデザインなどを商標登録することで、他者が無断で同じまたは類似の商標を使用することを防ぐことができます。商標権を取得することで、ブランド保護やグッズ販売における権利の明確化につながります。
特に、人気VTuberの場合、模倣品や海賊版グッズが出回る可能性が高いため、商標登録は重要な対策となります。
事務所を通じたグッズ販売
事務所所属VTuberの場合、グッズ販売は事務所を通して行われることが一般的です。事務所はグッズの企画、制作、販売、配送、顧客対応などを一括して管理します。
事務所所属VTuberは、グッズ販売に関する契約内容をしっかりと確認し、収益分配の割合や権利の帰属について理解しておくことが重要です。
個人VTuberのグッズ販売
個人VTuberは、BOOTHやSUZURIなどのプラットフォームを利用してグッズを販売することができます。これらのプラットフォームは、グッズ制作から販売、配送までをサポートしてくれるため、個人でも手軽にグッズ販売を始められます。
個人でグッズ販売を行う場合は、著作権や商標権、販売プラットフォームの利用規約などを遵守する必要があります。
販売プラットフォームの選定
様々なグッズ販売プラットフォームが存在するため、自身のニーズに合ったプラットフォームを選択することが重要です。手数料、制作可能なグッズの種類、販売方法などを比較検討し、最適なプラットフォームを選びましょう。
| プラットフォーム | 特徴 |
|---|---|
| BOOTH | 同人誌やグッズ販売に特化。自由に価格設定が可能。 |
| SUZURI | Tシャツやスマホケースなど、様々なグッズを簡単に作成・販売可能。 |
権利侵害への対策
個人VTuberは、グッズ販売において権利侵害のリスクに注意する必要があります。自身の著作権を守るためには、グッズのデザインを定期的に確認し、無断使用されていないか監視することが重要です。
また、権利侵害を発見した場合は、販売プラットフォームへの通報や法的措置を検討する必要があります。
VTuber事務所との関係と権利

VTuberとして活動する上で、事務所との関係は非常に重要です。事務所に所属することで得られるメリットは多い一方で、権利関係をしっかりと理解しておく必要があります。契約内容を理解せず活動を開始すると、後々トラブルに発展する可能性もあるため、注意が必要です。
事務所との契約内容
VTuber事務所との契約は、主に専属契約と業務委託契約の2種類があります。どちらの契約形態にもメリット・デメリットがあり、自分の活動スタイルや目標に合わせて選ぶことが重要です。
契約期間、収益分配、活動内容、権利の帰属など、契約内容をよく確認しましょう。契約書は専門用語が多く難解な場合もあるため、弁護士や専門家に相談することも有効です。
専属契約と業務委託契約の違い
専属契約と業務委託契約の主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 専属契約 | 業務委託契約 |
|---|---|---|
| 所属事務所との関係 | 事務所に専属的に所属し、活動の全てを事務所が管理 | 事務所から業務を委託され、特定の業務を行う |
| 活動の自由度 | 事務所の指示に従う必要があるため、比較的低い | 比較的高い自由度で活動できる |
| 収益分配 | 事務所とVTuberで分配。割合は契約内容による | 業務内容に応じた報酬を受け取る |
| 権利の帰属 | 契約内容によるが、事務所に帰属する場合が多い | VTuber自身に帰属する場合が多い |
専属契約では、事務所のサポートを受けながら安定した活動を行うことができますが、活動の自由度は低くなります。一方、業務委託契約では、自由度は高いものの、自己管理能力が求められます。
契約解除と権利の帰属
契約解除は、契約期間満了、合意解約、契約違反など、様々な理由で発生します。契約解除後の権利の帰属は、契約内容によって異なります。
例えば、キャラクターの権利が事務所に帰属する場合、契約解除後はそのキャラクターを使用できなくなる可能性があります。契約書に明記されていない場合でも、著作権法などの法律に基づいて権利の帰属が決定されるため、事前に確認しておくことが重要です。
契約解除に関するトラブルを避けるためにも、契約内容を明確にしておくことが重要です。
VTuberの権利買い取りと事務所との関係
VTuberが事務所から権利を買い取る場合、キャラクターの著作権、配信データの所有権、グッズ販売の権利など、買い取る権利の範囲を明確にする必要があります。権利の買い取りには高額な費用が発生する場合もあるため、資金計画をしっかりと立てることが重要です。
また、権利を買い取った後も、事務所との関係が完全に断ち切られるとは限りません。
例えば、競業避止義務などが契約に含まれている場合、一定期間は同じ業界で活動することが制限される可能性があります。権利の買い取りは複雑な手続きを伴うため、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
権利侵害への対策

VTuber活動において、権利侵害は大きな問題となり得ます。自身の権利を守るためにも、また他者の権利を侵害しないためにも、適切な知識と対策が必要です。ここでは、著作権侵害、肖像権侵害、名誉毀損への対応について解説します。
著作権侵害への対応
著作権侵害とは、著作権者の許諾を得ずに著作物を利用することです。VTuber活動においては、BGM、効果音、イラスト、3Dモデルなどが著作権保護の対象となります。無断で使用すると、著作権侵害となり、損害賠償請求や刑事罰の対象となる可能性があります。
著作権侵害を受けた場合の対応
著作権侵害を受けた場合、以下の手順で対応することが考えられます。
- 侵害の事実確認:侵害の証拠を収集します。スクリーンショット、動画、アクセスログなどが証拠となります。
- 侵害者への警告:侵害者に対して、著作権侵害の事実を伝え、著作物の使用停止を求めます。内容証明郵便を利用することで、正式な警告として効果的です。
- 損害賠償請求:侵害によって損害が生じた場合、侵害者に対して損害賠償を請求することができます。
- 刑事告訴:悪質な侵害の場合、刑事告訴を行うことも可能です。
権利侵害への対応は、専門家である弁護士への相談が推奨されます。 複雑なケースでは、弁護士に依頼することで、より適切な対応が可能となります。
著作権侵害をしないための対策
著作権侵害をしないためには、以下の点に注意しましょう。
- 著作権フリー素材の利用:著作権フリーのBGM、効果音、イラストなどを使用しましょう。利用規約をよく確認し、正しく利用することが重要です。
- ライセンス契約:有料の素材を使用する場合は、ライセンス契約を結び、利用範囲や条件を確認しましょう。
- 自作素材の利用:自身で作成した素材を使用することで、著作権の問題を回避できます。
肖像権侵害への対応
肖像権とは、個人が自分の容姿や姿態を無断で撮影・公開されない権利です。VTuberの場合、アバターが肖像権の対象となるかについては議論がありますが、現実のVTuberの容姿や声、配信中の様子などが無断で利用された場合、肖像権侵害となる可能性があります。
肖像権侵害を受けた場合の対応
著作権侵害と同様に、侵害の事実確認、侵害者への警告、損害賠償請求、刑事告訴といった手段が考えられます。特に、無断で配信を切り抜いたり、加工して公開する行為は、肖像権侵害となる可能性が高いです。
肖像権侵害をしないための対策
他者の配信を切り抜いたり、加工して公開する場合は、必ず本人の許可を得ましょう。また、配信中のスクリーンショットや動画をSNS等に投稿する際も、本人の許可を得るか、ガイドラインに従うことが重要です。
名誉毀損への対応
名誉毀損とは、事実または虚偽の事実を公表することで、他人の社会的評価を低下させる行為です。インターネット上での誹謗中傷も名誉毀損に該当する可能性があります。
名誉毀損を受けた場合の対応
名誉毀損を受けた場合、以下の対応が考えられます。
- 発信者情報開示請求:情報流通プラットフォーム対処法に基づき、発信者情報開示請求を行い、誹謗中傷を行った人物を特定します。
- 損害賠償請求:名誉毀損によって損害が生じた場合、加害者に対して損害賠償を請求することができます。
- 刑事告訴:悪質な名誉毀損の場合、刑事告訴を行うことも可能です。
名誉毀損への対応は、法的知識が必要となるため、弁護士への相談が不可欠です。
名誉毀損をしないための対策
インターネット上での発言には責任を持ち、他人を誹謗中傷するような発言は控えましょう。 また、事実確認を怠ったり、根拠のない噂を拡散したりすることも名誉毀損に繋がる可能性があります。 常に、他人の権利を尊重し、責任ある行動を心がけましょう。
詳しくは以下の法律記事でも解説をしていますので、参考までにご参照ください。
名誉毀損についても、きちんと対策を講じることで、VTuber活動における権利侵害のリスクを軽減し、安全に活動することができます。しかし、状況によっては専門家のサポートが必要となる場合もあります。 少しでも不安な場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
まとめ
この記事では、VTuberの権利関係について、キャラクター、収益、グッズ販売など様々な側面から解説しました。
VTuberの活動は著作権、肖像権、商標権など複雑に権利が絡み合っており、事務所所属か個人VTuberかによってもその内容は大きく異なります。特にキャラクターの権利は、デザインだけでなく設定にも及び、利用に関するガイドライン策定も重要です。
VTuber事務所との関係においては、契約内容の理解が不可欠です。専属契約と業務委託契約の違い、契約解除時の権利の帰属などを事前に確認することで、トラブルを未然に防ぐことができます。VTuberとして活動する上で、権利関係の理解は活動の基盤となる重要な要素です。自身を守るためにも、しっかりと知識を深め、適切な対応を心がけましょう。
プロスパイア法律事務所
代表弁護士 光股知裕
損保系法律事務所、企業法務系法律事務所での経験を経てプロスパイア法律事務所を設立。IT・インフルエンサー関連事業を主な分野とするネクタル株式会社の代表取締役も務める。企業法務全般、ベンチャー企業法務、インターネット・IT関連法務などを中心に手掛ける。




