インスタグラムで誹謗中傷された!対処法と法的措置を弁護士が徹底解説

風評被害対策法務

この記事では、インスタグラム上で生じる誹謗中傷問題に焦点を当て、その具体例や被害者が直面する困難を具体的にご紹介します。

利用者に起こりうるトラブル事例を取り上げ、スクリーンショットの保存方法や通報手順、発信者情報の開示請求といった証拠確保から法的手続きまで、対処のポイントを弁護士の視点から丁寧に解説します。

さらに、鍵アカウントの設定やコメント削除、ブロック機能の使い方、そして精神的苦痛に対するケア方法など、SNSを安心して利用するための予防策も網羅されています。

インスタグラムで起こる誹謗中傷の具体例

インスタグラム上では、誹謗中傷被害が多様な形で発生しており、被害者の心身に深刻な影響を与えています。この章では、事例を取り上げ、発生理由、被害者への影響そして対応策を詳述します。事例を通じて、誹謗中傷が生じる状況や被害の広がり、そして適切な対応策の重要性を考察します。

誹謗中傷事例

一般のインスタグラム利用者でも、特定の意見表明や個人的な出来事により標的となることがあります。例えば、意見の違いからオンライン上でデマが拡散され、事実無根の情報が広まるケースがあります。

また、取引先とのトラブルやプライベートなトラブルがSNS上に漏れたことで、個人情報やプライバシーが侵害される事例も考えられます。こうした状況では、名誉毀損プライバシー侵害の疑いが持たれ、被害者自身による積極的な対処を迫られることになります。

下記の表では、誹謗中傷に関するよくあるケースとその発生理由、被害者への影響及び対応策を紹介します。

事例発生理由被害者への影響対応策
事例①:意見対立による中傷政治的主張や社会問題に関する意見の食い違い精神的ストレスおよびプライバシーの侵害インスタグラムへの通報と法的措置検討
事例②:取引トラブルからのデマ拡散ビジネス上のトラブルがSNS上で誤情報として流布信用失墜と精神的苦痛の増大発信者情報の開示請求および謝罪要求

インスタグラムの誹謗中傷を見つけた時の対処法

インスタグラム上で誹謗中傷の投稿を発見した場合、まずは冷静になることが重要です。感情的な反応はトラブルを深刻化させる恐れがあるため、証拠の保存や適切な手続きに従って対処することが推奨されます。

スクリーンショットの保存方法

誹謗中傷の証拠を確実に残すために、まずは対象の画面のスクリーンショットを保存してください。スマートフォンやパソコンの端末に合わせた方法で、後日証拠を提出できるようにすることが大切です。

デバイス保存方法参考リンク
iPhoneホームボタンとサイドボタン(または音量アップボタン)を同時に押して撮影。Apple公式サポート
Android電源ボタンと音量ダウンボタンを同時に長押しして撮影。機種により操作方法が異なる場合があります。Google公式サポート
パソコンWindowsの場合:PrtScnキーやSnipping Toolを使用。Macの場合:Command + Shift + 3または4を使用。Microsoft公式サポートApple公式サポート

これらの方法で確実に証拠を残すことで、後日法的措置を取る際やインスタグラムへの通報時に活用することができます。

また、スクリーンショットの保存方法については、特にフォーカスして解説した記事も公開しておりますので、こちらも併せてご参照ください。

インスタグラムへの通報方法

投稿やコメントが誹謗中傷に該当する場合、インスタグラム内の通報機能を活用しましょう。通報を迅速に行うことで、被害の拡大防止につながります。

通報の手順は以下の通りです:

  • 問題の投稿やコメントにある「…」または「オプション」メニューを選択する。
  • 「報告」を選び、表示されるガイドラインに従って内容を選択する。

詳細な手順については、Instagramヘルプセンター投稿の報告についてコメントの報告について)をご確認ください。

プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求

誹謗中傷が特定の個人に対して行われている場合、発信者の情報開示を求めるために、プロバイダ責任制限法に基づく手続きを行うことが可能です。発信者の特定ができれば、民事または刑事の法的措置を講じる上での大切な証拠となります。

この手続きは、まず専門の弁護士に相談し、法的根拠や必要書類について十分なアドバイスを受けることが重要です。

発信者情報開示請求の手順

発信者情報開示請求を進める場合、以下の具体的な手順に沿って対応することが推奨されます。各ステップを確実に実施することで、証拠提出や情報開示の成功率を高めることができます。

ステップ詳細な手順
1. 証拠の収集スクリーンショット、リンク、投稿日時、アカウント情報など、誹謗中傷の証拠を整理・保存します。
2. 弁護士への相談プロバイダ責任制限法に詳しい弁護士に相談し、必要な書類や手続きの流れを確認します。
3. 請求書の作成弁護士の助言を基に、発信者情報開示請求に必要な請求書を作成し、整理します。
4. プロバイダへの提出作成した請求書とともに、対象プロバイダに正式な情報開示請求を提出します。
5. 対応状況の確認プロバイダからの回答期限や対応状況を定期的に確認し、必要に応じて追加対応を行います。

これらの手順に従い、正確かつ迅速に対応することで、誹謗中傷の被害に対して適切な措置を講じることができるでしょう。万一、手続きに不安がある場合は、信頼できる専門家に早めに相談することが重要です。

誹謗中傷における法的措置

民事上の損害賠償請求

誹謗中傷は、被害者に精神的苦痛や名誉毀損などの実害を及ぼす可能性があり、民事上で加害者に対して損害賠償請求を行う手段が認められています。訴訟を提起する際には、被害の状況や経緯、発言内容の証拠が重要となります。

損害賠償請求を行うにあたり、以下のような要素が重視されます。

項目説明
精神的苦痛誹謗中傷によるストレスや不安、鬱状態など、心身に与えた影響
逸失利益誹謗中傷により業務上の信頼が損なわれ、得られなかった利益
名誉回復費用イメージ回復のための広報活動や弁護士費用など

刑事告訴(侮辱罪・名誉毀損罪)

誹謗中傷の投稿が侮辱罪や名誉毀損罪に該当する場合、被害者または検察官は刑事告訴を検討することができます。刑事告訴は、社会全体の秩序維持の観点からも厳しく対処されるため、証拠の確保や法的判断が求められます。

刑事事件として追及される場合、検察側が事件の認定に必要な証拠を固め、加害者の行為が刑法上の要件を満たしているかどうかが判断されます。以下の表に、各罪状の必要要件の概要を示します。

罪名必要な要件
侮辱罪公然と相手の名誉を傷つける行為があり、社会的評価を低下させる行為
名誉毀損罪事実の有無にかかわらず、相手の社会的評価を不当に低下させる情報の流布

これらの法的措置については、具体的な事件状況や証拠関係により判断が異なるため、被害に遭った場合は速やかに専門の弁護士に相談することが推奨されます。

インスタグラムに限らず、SNS上での侮辱罪に関する実例は法務省の資料で確認できます。事案の概要から判決・略式命令まで記載されているので、あわせてご覧ください。

また以下の記事では、誹謗中傷とは何か、どこからが誹謗中書となるのかについてより詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

発信者情報開示請求と法的措置の関係性

インスタグラム上の誹謗中傷においては、加害者の特定が難しい場合が多く、発信者情報の開示請求が必要となります。プロバイダ責任制限法に基づく手続きにより、インターネットサービスプロバイダーに対して発信者情報の開示を求めることができます。

発信者情報の開示請求は、民事上の損害賠償請求や刑事告訴と連動し、正確な加害者の特定ができれば、これらの法的措置の実効性が高まります。請求手続きは以下の流れに沿って行います。

手順内容
証拠の収集誹謗中傷の投稿やコメントのスクリーンショット、URL、投稿日時などの詳細な記録
弁護士への相談専門家に現状を説明し、法的措置の可能性や手続きのアドバイスを受ける
プロバイダ責任制限法に基づく請求正式な文書を作成し、サービス提供者に対して発信者情報の開示を要求
情報開示後の対応開示された情報を基に、民事訴訟や刑事告訴などの法的措置を実施

この手続きは、迅速かつ確実な証拠提出が重要であるため、被害者自身で行うのではなく、信頼できる法律専門家の協力を得ることが鍵となります。

また、発信者情報開示請求についてはこちらの記事でも紹介しています。

ぜひあわせてご覧ください。

インスタグラムで誹謗中傷を受けないための予防策

インスタグラムを安心して利用するためには、アカウント設定や各種機能の活用によって、誹謗中傷のリスクを極力下げることが重要です。ここでは、プライバシーの確保安全なコミュニケーション環境の維持を目的に、主な予防策について具体的な手順とその効果を解説します。

鍵アカウントの設定

鍵アカウントに切り替えることで、あなたの投稿やプロフィールへのアクセスを承認したフォロワーのみに限定することができます。これにより、知らない相手による誹謗中傷や不適切なコメントのリスクを大幅に軽減できます。

鍵アカウントの設定手順は以下のとおりです:

  1. プロフィール画面からメニューを選択します。
  2. コンテンツの公開範囲の「アカウントのプライバシー設定」を選択します。
  3. 「非公開アカウント」をオンにします。

ユーザーによる安全な情報共有が実現できるため、安心してインターネットを利用できます。

詳細な手順は、Instagram公式ヘルプをご参照ください。

コメントの削除

自分のInstagram投稿では、自分のコメントと他の人のコメントの両方を削除することができます。不適切な発言や誹謗中傷を行うユーザーのコメントを削除することでトラブルの芽を早期に摘む効果があります。

コメントを削除する手順は以下のとおりです:

  1. 削除するコメントにカーソルを重ね「…」を選択します。
  2. [削除]を選択します。

これにより、利用者は健全なコミュニケーション環境を維持でき、大切なSNSライフが守られます。

詳しい設定方法については、Instagram公式ヘルプを確認してください。

ブロック機能の使い方

誹謗中傷や不快なコメントを繰り返すユーザーに対しては、ブロック機能の活用が効果的です。ブロックを実行すると、相手はあなたの投稿、ストーリーズ、プロフィール情報に一切アクセスできなくなり、精神的な負担を軽減できます。

ブロックは、相手のプロフィール画面から「…」アイコンを選択し、「ブロック」を選択するだけで簡単に行えます。こうした措置により、ご自身が安心してSNSを利用できるよう、安全なオンライン環境の確保が可能となります。

詳しい手順は、Instagram公式ヘルプをご参照ください。

以下の表は、主要な設定機能とその設定方法、及び目的と効果を整理したものです。

機能設定方法目的と効果
鍵アカウントの設定メニュー>コンテンツの公開範囲>「アカウントのプライバシー」>「非公開アカウント」をオン未承認のユーザーからのアクセスを制限し、プライバシー保護を実現
コメント制限機能メニュー>他の人があなたとやり取りできる方法の「コメント」コメントできる範囲を制限することにより、誹謗中傷のリスクを低減
ブロック機能相手のプロフィール画面から「…」アイコン>「ブロック」を選択不快なユーザーからの接触を遮断し、安心なオンライン環境を維持

誹謗中傷による精神的苦痛へのケア

インスタグラム上での誹謗中傷は、被害者に深刻な精神的苦痛やストレスをもたらす可能性があります。ここでは、心のケアを行うための具体的な対策として、専門機関への相談家族・友人への相談の二つのアプローチについて解説します。

専門機関への相談

誹謗中傷により感情が不安定になった場合、まずは専門の支援機関に相談することが重要です。日本国内には、精神保健福祉センター、カウンセリング機関、およびいのちの電話のような心のケアを実施している団体が複数存在し、匿名での相談も可能です。これにより、専門のアドバイザーや医療従事者から、状況に応じた適切なアドバイスが受けられます。

以下は、一般的に利用される精神的サポート機関の一例です。

施設名連絡先利用可能時間公式サイト
いのちの電話(ナビダイヤル受付センター)0120-783-55610:00~22:00日本いのちの電話連盟公式サイト
東京いのちの電話03-3264-434324時間(年中無休)東京いのちの電話公式サイト
国立精神・神経医療研究センター(予約受付)042-346-21909:00~15:00国立精神・神経医療研究センター

※国立精神・神経医療研究センターについて、初診の方はWeb申込となっています。詳しくはHPをご覧ください。

これらの機関は、誹謗中傷による心の傷を早期にケアするための体制が整えられており、必要に応じて医療機関への紹介も行っています。また、個々の状況に応じたカウンセリングや治療プログラムの提供を受けることで、自己回復を促進する助けとなります。

家族や友人への相談

専門機関に頼るだけでなく、家族や友人との対話も心のケアにおいて大切な役割を果たします。誹謗中傷による不安や孤独感は、信頼できる身近な人々に話すことで大きく軽減される場合があります。話し合いを通じて、精神的なサポートと安心感を得るとともに、客観的な意見を受け入れることで、冷静な判断ができるようになります。

以下は、家族や友人と相談するときのポイントです。

相談のポイント具体的なアクション
信頼環境の構築自身の状況を率直に伝え、相手の理解と共感を得る
定期的なコミュニケーション日常的な会話の中で、少しずつ気持ちを共有する
共同で対策を考える状況改善に向けた具体的なプランや対策を一緒に検討する

また、政府の公式情報として、厚生労働省のメンタルヘルス対策ページも参考にされると良いでしょう。家族や友人との信頼関係を築くことで、心の負担の軽減と早期の回復が期待できます。

いずれの場合も、自分自身の心の健康を最優先に、無理をせず、必要であれば早急に専門の支援を受けることが大切です。

まとめ

本記事では、Instagram上で発生する誹謗中傷事例を具体的に挙げ、被害者が行うべきスクリーンショットの保存や通報、発信者情報の開示請求などの対策方法を詳しく解説しました。

また、民事訴訟や刑事告訴といった法的措置の実際の手続きと注意点についても触れ、鍵アカウントの設定やコメント削除、ブロック機能といった予防策の重要性を説明しています。

被害者が冷静な対応を行い、専門機関や弁護士への相談を通じて権利を守ることが、精神的苦痛の軽減につながるでしょう。



本記事の担当

プロスパイア法律事務所
代表弁護士 光股知裕

損保系法律事務所、企業法務系法律事務所での経験を経てプロスパイア法律事務所を設立。IT・インフルエンサー関連事業を主な分野とするネクタル株式会社の代表取締役も務める。企業法務全般、ベンチャー企業法務、インターネット・IT関連法務などを中心に手掛ける。

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