投稿をリポストするメリット・デメリットとは?炎上対策や裁判例についても詳しく解説!

風評被害対策法務

SNSの機能「リポスト」。手軽かつ効果的に投稿を共有することができる反面、炎上や権利の侵害、損害賠償などにつながるリスクもあります。

本記事では、実際の事例を紹介しつつ、炎上対策やリポストのリスクと安全な活用法について解説します。これからSNSを用いた宣伝を考えている企業のみなさまも必見です。正しいリポスト活用法を知って、より効果的な情報発信を目指しましょう。

そもそもリポストとは

リポストの定義

リポストとは、他のユーザーが投稿したコンテンツを、自分のアカウントで再投稿することを指します。X(旧Twitter)がTwitterから名称変更した際に、Twitter時代の機能である「リツイート」を「リポスト」と併せて名称変更したため、X(旧Twitter)の再投稿機能を特に指す場合が多いですが、他のサービスにおける同様の機能を指す場合もあります。

元の投稿を自分のフォロワーに共有することで、情報の拡散や共感を促すことができ、プラットフォームによっては、異なる名称で呼ばれることもあります。単にURLをコピーして投稿するだけでなく、元の投稿者のアカウント情報やコメントなどを含めて共有するのが一般的です。

リポストとは

フォロワーに公開して共有するポストは「リポスト」と呼ばれます。リポスト機能はX上で見つけたニュースや耳寄り情報を伝えるのに便利です。このリポストに自分のコメントや画像/動画を追加して公開することもできます。リポストアイコンを使うと、既存ポストを引用する形でリポストや引用ポストを行うことができます。あなたの引用ポストに第三者が返信しても、その会話に元のポストの作成者は追加されません。元のポストの作成者を会話に含める場合は、そのアカウントのユーザー名を@ツイートしてください。

リポストや引用ポストは、他のアカウントのポストを共有するときだけでなく、自分自身のポストにも使えます。 この機能は、自分の過去のポストに関連する内容が再び話題に上がった場合や、他のアカウントへの返信をリポストして、フォロワー全員と共有する場合などに特に役立ちます。

X|リポストする方法|リポストとは

リポストのメリット

リポストは、適切に行えば発信者にとって多くのメリットをもたらします。主なメリットとして、拡散力の向上、エンゲージメントの向上、コミュニティ形成、情報収集の効率化などが挙げられます。

拡散力の向上

リポストによって、元の投稿者のフォロワー以外にも情報が届くため、リーチが拡大し、拡散力が向上します。特に、影響力のあるアカウントにリポストされた場合は、大きな拡散効果が期待できます。

元の投稿が自身のアカウントの投稿の場合、自身のアカウントの認知度向上にも繋がります。また、ハッシュタグを効果的に使用することで、より多くのユーザーに情報が届きやすくなります。

エンゲージメントの向上

リポストは、元の投稿者との関係性を深める効果があります。リポストを通じて、共感や支持を表明することで、元の投稿者とのエンゲージメントを高めることができます

また、リポストされた投稿にコメントやいいね!がつくことで、自身のアカウントにも新たなフォロワーを獲得する機会が増えます。質の高いコンテンツをリポストすることで、自身のアカウントの信頼性向上にも繋がります。

効果的な投稿の拡散

ユーザーの投稿をリポストすることによって、閲覧者により親近感を持たせることができます。ネットショッピングの時にレビューを見るように、実際に既に手に取っているユーザーの声などをリポストすることで、より閲覧者に効果的にメッセージを伝えることができます。

メリット詳細具体例
拡散力の向上フォロワー以外にも情報が届き、リーチが拡大インフルエンサーにリポストされたことで、商品認知度が向上した
エンゲージメントの向上元の投稿者との関係性を深め、共感や支持を表明企業アカウントがユーザーの投稿をリポストし、ユーザーとの良好な関係を築いた
効果的な投稿の拡散より実体験に即した投稿を拡散できる実際に購入しているユーザーの使用例の投稿をリポスト

リポストの効果的な活用方法はプラットフォームによって異なります。各プラットフォームの特徴を理解し、適切な方法でリポストを行うことが重要です。

リポストのデメリット

手軽に情報共有ができるリポストですが、いくつかのデメリットも存在します。安易なリポストは、自社の企業イメージを低下させるのみならず、他社にも大きな影響を与える可能性があることを理解し、責任ある行動を心がけましょう。

炎上リスク

リポストは、元の投稿者の意図とは異なる解釈をされたり、不適切な内容が含まれている場合、炎上に発展するリスクがあります。特に、以下のようなケースは炎上につながりやすいので注意が必要です。

誹謗中傷による炎上

他者を誹謗中傷する内容を含む投稿をリポストすると、名誉毀損に該当し、法的責任を問われる可能性があります。また、リポストした側も、拡散に加担したとして非難される可能性があります。リポスト前に、内容が事実かどうか、他者を傷つける表現が含まれていないかを確認しましょう。

著作権侵害による炎上

プラットフォームのルールや、リポストの仕様によっては、著作権で保護されたコンテンツ(画像、動画、音楽など)を無断でリポストすると、著作権侵害となり、法的責任を問われる可能性があります。(なお、後述のように、X(旧Twitter)の場合には、リポストは著作権侵害とはなりません。)リポスト前に、著作権について理解し、適切な引用方法などを確認しましょう。

不適切な情報拡散による炎上

不確かな情報やフェイクニュースをリポストすると、誤情報の拡散に加担することになります。情報源の信頼性を確認し、不確かな情報はリポストしないようにしましょう。

誤情報の拡散

リポストは手軽に情報を拡散できるため、真偽の確認が不十分なまま誤った情報が拡散されるリスクがあります。特に、災害時や緊急時には、公式発表や信頼できる情報源からの情報のみをリポストするように心がけましょう。デマの拡散は、パニックを引き起こしたり、救助活動の妨げになる可能性があります。情報の出所を確認し、内容が正しいかを確認する癖をつけましょう。

プライバシー侵害

個人のプライベートな情報や写真などを許可なくリポストすると、プライバシー侵害にあたる可能性があります。特に、個人が特定できる情報が含まれている場合は、リポスト前に必ず本人の許可を得るようにしましょう。たとえ公開アカウントの投稿であっても、リポストが不適切な場合もあります。相手への配慮を忘れずに、慎重に判断しましょう。

デメリット詳細具体例
炎上リスク誹謗中傷や著作権侵害などに当たる投稿をリポストし、拡散する事実と異なるイラストをリポストしたことで、描かれた人の名誉を毀損する
誤情報の拡散不確かな情報を拡散し、世間に混乱を与える地震などの災害時に、ライオンが脱走したという誤った情報をリポストし拡散する
プライバシー侵害個人が特定できる情報をリポストによって拡散する個人情報が載っている配送伝票が載った投稿をリポストし拡散する

これらのリスクを理解した上で、適切なリポストを心がけることが重要です。リポストは便利な機能ですが、使い方を誤ると大きなトラブルに発展する可能性があります。常に責任ある行動を心がけ、安全に利用しましょう。

リポストで炎上しないための対策

 リポストは手軽に情報を拡散できる便利な機能ですが、使い方を誤ると炎上につながるリスクがあります。炎上は、一度発生すると鎮火に時間がかかり、企業のブランドイメージにも大きな損害を与える可能性があります。そのため、リポストを行う際は、以下の点に十分注意する必要があります。

投稿内容の確認

リポストする前に、元の投稿内容をしっかりと確認しましょう。事実関係の誤りや、不適切な表現、差別的な内容が含まれていないかを確認することが重要です。感情的な内容や、特定の個人や団体を攻撃するような内容も、炎上につながる可能性が高いため注意が必要です。

政治的な内容は控える

有名な政治家が身に着けた、来店したといった内容の元投稿のリポストは、敵対する政治思想を持つ閲覧者によって炎上に発展するリスクがあるため、注意が必要です。特に企業の公式アカウントなどの場合は、政治的な投稿のリポストは控え、中立的な投稿をリポストするようにしましょう

表現の確認

元の投稿内容が適切であっても、リポストする際の自分のコメントが炎上につながる可能性もあります。皮肉やジョーク、煽るような表現、身内ノリでの発言は、誤解を生みやすく、炎上につながる可能性があるため、注意が必要です。また、自分の意見を付け加える際は、自身の視点だけではなくて、何も事情を知らない第三者の視点から見て適切であるかを確認するとリスクを減らせるでしょう。

リポストに対する法的な解釈

X(旧Twitter)で他人の投稿をリツイートしたことが元ツイートに賛同したと判断され、損害賠償請求が認められた判決もあります。

以下でリツイートに関する判例を2つほど紹介します。

D(原告)とジャーナリストX(被告)の名誉毀損訴訟

「(略)Dが30代でA知事になったとき,20歳以上年上のAの幹部たちに 随分と生意気な口をきき,自殺にまで追い込んだことを忘れたのか!恥を知れ!」

大阪地裁令和元年9月12日判決

上記の内容の元知事である原告D(被害者)に対する誹謗中傷ポスト(旧ツイート)を、被告Xがリポスト(旧リツイート)したことが名誉毀損であると訴えた裁判です。

結果として、この判決では、被告X(リツイートした人)から原告Dへの33万円の賠償が命じられました。

例えば,前後のツイートの内容から投稿者が当該リツイートをした意図が読み取れる場合など,一般の閲読者をして投稿者が当該リツイートをした意図が理解できるような特段の事情の認められない限り,リツイートの投稿者が,自身のフォロワーに対し,当該元ツイートの内容に賛同する意思を示して行う表現行為と解するのが相当である。
  そうすると,本件投稿においては,……他に一般の閲読者をして投稿者が当該リツイートをした意図が理解できるような上記特段の事情は認められないから,本件投稿で引用された本件元ツイートの内容は,本件投稿の投稿者である被告による,本件元ツイートの内容に賛同する旨の意思を示す表現行為としての被告自身の発言ないし意見でもあると解するのが相当であり,被告は,本件投稿の行為主体として,その内容につ いて責任を負うというべきである。

大阪地裁令和元年9月12日判決

この判決では、投稿前後のツイートで被告のリツイートをした意図が賛同以外の何らかの意図(例えば「批判」など)であると認められる特段の事情が読み取れないため、賛同の趣旨とみなしています。

ジャーナリストY氏に対する名誉毀損訴訟

性被害を訴えたジャーナリストが、当該人物に関する事実と異なるイラストをX(旧ツイッター)に投稿した人と、その投稿をリポスト(旧リツイート)した人2人を名誉毀損で訴えた裁判です。

こちらも結果から言うと、イラストを投稿した人に88万円の賠償を、リポストした2人にそれぞれ11万円ずつの賠償を命じました。

ツイッターにおいて,投稿者がリツイートの形式で投稿する場合,当該投稿者が,他者の元ツイートの内容を批判する目的等でリツイートするのであれば,何らのコメントも付加しないことは考え難く,当該投稿者の立場が元ツイートの投稿者とは異なることなどを明らかにするべく,当該元ツイートに対する批判的ないし中立的なコメントを付すことが通常であると考えられる。 

               (中略)

一般の閲読者をして投稿者が当該リツイートをした意図が理解できるような特段の事情の認められない限り,リツイ ートの投稿者において,当該元ツイートの内容に賛同する意思を示して行う表現行為と解するのが相当であるというべきである。

東京地裁令和3年11月30日判決

この判決では、リツイートした人が元ツイートの投稿者の意図とは異なる旨の意思表示をしなかったことから、リツイートという行為自体を元ツイートに賛同する行為とみなしています。

何も文言を付与しないリポストは一見中立的に受け取られると思いがちですが、裁判実務では元投稿への賛同と解釈された裁判例もあるのが現状です。手軽な拡散ツールですが、損害賠償に発展した実例がある以上リスクがあるのは間違いありません。

リポストに関するQ&A

ここでは、リポストに関するよくある質問と回答をまとめました。

リポストの許可は必要?

リポストの許可が必要かどうかは、プラットフォームや投稿の種類によって異なります。一般的に、公開アカウントの投稿はリポストが許可されていることが多いですが、非公開アカウントの投稿や、投稿者がリポストを禁止している場合は、許可なくリポストすることはできません。リポストする前に、各プラットフォームの利用規約を確認し、必要に応じて投稿者にリポストの許可を求めましょう。

例えば、X(旧Twitter)の場合、投稿の著作権者である投稿主は、利用規約で、リポストされる場合があることをXの運営に対して同意することとなっていますので、Xの公式機能である「リポスト」がされたことについて、他のユーザーに対し著作権侵害の主張をすることはできません。

ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、ポストまたは表示することによって、当社が、……かかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示、アップロード、ダウンロードおよび配信するための、世界的かつ非独占的ライセンスを(サブライセンスを許諾する権利と共に)当社に対し無償で許諾することになります。

(略)お客様は、このライセンスに、当社が(i)……および(ii)当社のコンテンツ利用規約に従い、サービスにまたはサービスを通じて送信されたコンテンツを他の企業、組織、または個人が利用できるようにする権利(……リポスト……など)が含まれることに同意するものとします。

Xサービス利用規約

リポストを削除したい場合は?

自分がリポストした投稿を削除したい場合は、リポストしたプラットフォームの機能を使って削除できます。多くのプラットフォームでは、リポストした投稿を選択し、「削除」などのボタンをクリックすることで簡単に削除できます。ただし、一度拡散された情報は完全に削除することが難しい場合があることを理解しておく必要があります。

また、他人がリポストした自分の投稿を削除してほしい場合は、その人に直接連絡して削除を依頼する必要があります。相手が削除に応じない場合は、プラットフォームの運営会社に報告することも検討しましょう。ただし、必ずしも削除してもらえるとは限りません。

まとめ

リポストは情報拡散に有効な手段ですが、誹謗中傷や著作権侵害、プライバシー侵害といったリスクも伴います。このようなリスクを避け、炎上を防ぐためには、投稿内容の確認、引用元と出典の明記などの対策が不可欠です。

リポストする前に、本当に問題がないか、一度立ち止まって考えることが大切です。これらの記事で紹介した点に注意して、みなさんも適切かつ効果的な情報発信をしていきましょう。



本記事の担当

プロスパイア法律事務所
代表弁護士 光股知裕

損保系法律事務所、企業法務系法律事務所での経験を経てプロスパイア法律事務所を設立。IT・インフルエンサー関連事業を主な分野とするネクタル株式会社の代表取締役も務める。企業法務全般、ベンチャー企業法務、インターネット・IT関連法務などを中心に手掛ける。

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