ダブルワークとは何かを分かりやすく解説!副業との違い、法律、メリット・デメリット

インフルエンサー法務

ダブルワークに興味がありますか?それとも、すでにダブルワークを検討中でしょうか?ダブルワークはメリットがある一方、法律や手続きに関する正しい知識も必要です。

この記事を読むことで、ダブルワークを始める際に必要な知識を理解することができます。さらに、ダブルワークのメリット・デメリット、始める際の手順、注意点まで解説します。ぜひ最後まで読んで、ダブルワークの新たな一歩を踏み出すための準備を整えましょう。

ダブルワークとは

ダブルワークとは、本業の他に別の仕事を持つことを指します。近年、働き方の多様化に伴い、ダブルワークを選択する人が増えています。副業と混同されがちですが、ダブルワークは副業とは異なる概念です。

ダブルワークの意味

ダブルワークは、1つの会社に正社員や契約社員、パート・アルバイトなどとして雇用されている状態に加えて、別の会社でも同様に雇用されている状態を指します。雇用形態は問わず、正社員が別の会社でアルバイトをする、パートが別の会社でもパートをするなどもダブルワークに該当します。

ダブルワークの具体例

ダブルワークの具体例をいくつか紹介します。

本業副業
会社員(正社員)飲食店のアルバイト
会社員(正社員)Webライター
パート(スーパーのレジ)コンビニのアルバイト
契約社員(IT企業)データ入力業務

上記以外にも、様々な組み合わせが考えられます。重要なのは、いずれの仕事も雇用契約に基づいているという点です。業務委託契約に基づく仕事は、ダブルワークではなく副業に該当します。

ダブルワークに関する詳しい情報は、厚生労働省のウェブサイトをご参照ください。

ダブルワークと副業の違い

ダブルワークと副業、混同しやすい2つの用語ですが、正しく理解することで、自分に合う働き方を選択できるようになります。

副業の定義

副業とは、本業以外に行うすべての仕事のことを指します。収入を得る目的で行うものであれば、パート・アルバイト、フリーランス、農業など、その種類は多岐にわたります。近年、政府も副業・兼業を推進しており、企業も副業を認める動きが加速しています。

ダブルワークと副業の決定的な違い

ダブルワークと副業の決定的な違いは、労働契約の有無です。

ダブルワークは、2つ以上の会社と雇用契約を結んでいる状態で働くことです。一方、副業は必ずしも雇用契約を結ぶ必要はありません。フリーランスや個人事業主の場合も副業に含まれます。

項目ダブルワーク副業
雇用契約2つ以上の会社と雇用契約を結ぶ雇用契約は必須ではない
働き方会社員として働く会社員、フリーランス、個人事業主など様々
会社員として2つの会社で働く本業の会社員に加えて、週末にカフェでアルバイトをする、フリーランスでWebライターをする、ハンドメイド作品を販売するなど

すべてのダブルワークは副業ですが、すべての副業がダブルワークというわけではない点を理解することが重要です。

ダブルワークと副業、それぞれのメリット・デメリット

ダブルワークと副業どちらを選ぶかは、自身のライフスタイルやキャリアプランに合わせて検討する必要があります。

ダブルワークのメリット・デメリット

メリット

  • 安定した収入を得られる
  • 社会保険に加入できる
  • 福利厚生を受けられる場合がある

デメリット

  • 労働時間が長くなり、疲労が蓄積しやすい
  • 本業に支障が出る可能性がある
  • 就業規則で禁止されている場合がある

副業のメリット・デメリット

メリット

  • 自分の好きな時間に働ける
  • 様々なスキルを身につけることができる
  • 本業とは異なる分野に挑戦できる

デメリット

  • 収入が不安定な場合がある
  • 社会保険に加入できない場合がある
  • 自己管理能力が必要

詳しくは厚生労働省のQ&Aも参考にしてください。

ダブルワークに関する法律

ダブルワークは、それに関する法律を理解せずに行うと、法的なトラブルに巻き込まれる可能性があります。しっかりと確認し、適切な対応を行いましょう。

労働基準法とダブルワーク

労働基準法自体はダブルワークを禁止していません。ただし、労働基準法では、1日8時間、週40時間を超えて労働させる場合、労使協定(36協定)を締結し、管轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。 ダブルワークを行う場合、本業と副業の労働時間の合計が、この基準を超えてはいけません。超えた場合、企業は法令違反となり、罰則や指導の対象になります。また、労働者自身も健康リスクが高まります。

就業規則とダブルワーク

就業規則は、企業が労働条件などを定めた規則です。多くの企業は就業規則で副業・兼業を禁止、または許可制にしています。ダブルワークを始める前に、必ず会社の就業規則を確認し、必要であれば会社に許可を得ましょう 無断でダブルワークを行い、就業規則に違反した場合、懲戒処分を受ける可能性があります。就業規則は、各会社で内容が異なるため、自身の会社の規則をよく確認することが重要です。

ダブルワークで注意すべき法律

ダブルワークを行う上で、特に注意すべき法律は以下の通りです。

所得税法

ダブルワークを行うと、収入が増えるため、所得税の負担も増えます。年間20万円以上の副業収入がある場合は、確定申告が必要になります。 確定申告では、本業と副業の収入を合算して所得税を計算します。副業の収入を隠して確定申告を行わなかった場合、追徴課税や延滞税が課される可能性があります。また、確定申告を行うことで、所得控除を受けられる場合があります。

健康保険法、厚生年金保険法

ダブルワークの場合、健康保険と厚生年金保険の加入手続きにも注意が必要です。本業と副業の収入を合算した金額に応じて、社会保険の加入義務が生じる場合があります。 具体的には、以下のようになります。

雇用形態加入条件
正社員(週20時間以上勤務)原則として社会保険加入必須
パート・アルバイト週の所定労働時間が20時間以上月額賃金8.8万円以上雇用期間1年以上見込まれる学生ではない従業員501人以上の企業に雇用されている上記の5つの条件全てを満たす場合、社会保険加入必須

これらの条件を満たす場合、副業先でも社会保険に加入する必要があります。すでに本業で社会保険に加入している場合は、副業先にもその旨を伝え、適切な手続きを行う必要があります。健康保険と厚生年金保険の加入手続きを怠ると、法的なペナルティを受ける可能性があります。

ダブルワークのメリット

ここでは、ダブルワークの主なメリットを4つのカテゴリーで解説します。

収入増加

ダブルワークの最も大きなメリットは収入が増えることです。特に物価上昇が続く現代において、収入源を増やすことは経済的な安定に繋がります。また、副収入を得ることで、精神的なゆとりも生まれます。

スキルアップ

ダブルワークでは、本業とは異なる職種や業界に挑戦することで、新たなスキルや知識を習得できます。スキルは、本業でのキャリアアップや転職活動にも役立ちます。

また、異なる環境で働くことで、問題解決能力や適応能力も向上します。異なる職場環境や人間関係への適応は、自己成長を促します。

ダブルワークの種類得られるスキル
Webライターライティングスキル、SEO知識、リサーチ能力
プログラミングプログラミングスキル、論理的思考力、問題解決能力
デザインデザインスキル、美的センス、クリエイティブな発想力
飲食店接客スキル、コミュニケーション能力、チームワーク

このように、ダブルワークは多様なスキルを身につける絶好の機会となります。

人脈拡大

ダブルワークを通して、本業とは異なる分野の人々と出会うことができます。新たな人脈は、ビジネスチャンスの拡大やキャリアアップにも繋がり得ます。また、異分野の人々との交流は、刺激的で豊かな人間関係の構築に繋がります。

生活の充実

ダブルワークは、収入増加だけでなく、生活の充実にも繋がります。ダブルワークで得た経験や人脈は、将来のキャリアチェンジや独立・起業の足掛かりとなる可能性も秘めています。自分のやりたいことや目標に挑戦することで、人生の満足度を高めることができるでしょう。

ダブルワークのデメリット

ダブルワークには様々なメリットがある一方で、デメリットも存在します。デメリットを理解し、対策を講じるようにしましょう。

時間的制約

ダブルワーク最大のデメリットは時間的制約です。自由時間が大幅に減少し、プライベートの充実が難しくなることも。特に、本業の勤務時間が不規則な場合や残業が多い場合は、ダブルワークは難しいでしょう。

疲労の蓄積

本業に加えて別の仕事をするため、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積しやすくなり、集中力の低下や仕事の効率悪化につながる可能性も。また、免疫力が低下し、病気にかかるリスクも高まります。健康と本業のために、適切な休息と睡眠時間の確保は必須です。

本業への影響

ダブルワークによる疲労や睡眠不足は、本業のパフォーマンス低下に繋がる可能性があります。本業に支障が出るようなダブルワークは避けなければなりません。本業での評価が下がり、昇進や昇給に影響が出る可能性も考慮する必要があります。また、ダブルワークが会社にバレ、懲戒処分を受ける場合もあります。

人間関係のトラブル

ダブルワークを同僚に隠している場合、人間関係のトラブルが発生する可能性があります。イベントの不参加が増えると、疎外感を感じさせてしまうかもしれません。本業の人間関係を良好に保つためには、ダブルワークについて適切な対応が必要です。

収入と税金、社会保険に関する問題

ダブルワークによって収入が増加すると、税金や社会保険料の負担も増えます。特に、年収130万円を超えると扶養から外れ、健康保険や年金の自己負担が発生します。また、副業の収入によっては確定申告が必要になる場合も。追徴課税や延滞税の発生を防ぐために、税金や社会保険について正しい知識を持ち、適切な手続きを行うことが重要です。

項目内容
扶養年収130万円以下であれば配偶者の扶養に入ることができる場合が多いですが、超えると扶養から外れ、健康保険や年金の自己負担が発生します。
確定申告副業の収入が20万円を超える場合は確定申告が必要になります。確定申告の手続き方法や必要書類については、国税庁のウェブサイト等で確認できます。
社会保険ダブルワークをする場合、社会保険の加入状況によっては手続きが必要になります。詳しくは日本年金機構のウェブサイトで確認してください。

仕事内容への不満

ダブルワークをする際に、仕事内容に不満を持つ可能性があります。仕事へのモチベーションの低下は、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。ダブルワークを選ぶ際は、自分に合った仕事を選ぶようにしましょう。

上記デメリットも理解した上で、自分にとってダブルワークが本当に適切かどうかを慎重に検討することが重要です。無理のない範囲でダブルワークを行い、メリットを最大限に活かしましょう。

ダブルワークを始めるにあたっての注意点

ダブルワークは準備不足のまま始めてしまうと、後々トラブルに発展する可能性があります。事前にしっかりと確認し、計画的に進めましょう。

会社の就業規則の確認

まず初めに、現在勤めている会社の就業規則で副業・兼業に関する規定を確認しましょう。就業規則で禁止されているにも関わらずダブルワークを行った場合、懲戒処分の対象となる可能性があります。許可が必要な場合は、事前に会社に申請し、承認を得てから始めることが重要です。

就業規則を確認する際には、副業・兼業の可否だけでなく、下記のような点にも注意を払いましょう。

確認事項詳細
許可が必要な業種・職種競合他社への勤務や、会社の信用を損なう可能性のある業種・職種は禁止されている場合があります。
許可申請の手続き申請書の提出や、面談が必要な場合があります。
勤務時間の上限本業の勤務時間に加えて、ダブルワークの勤務時間にも制限が設けられている場合があります。
収入の上限ダブルワークによる収入に上限が設けられている場合があります。

規定は会社によって異なるため、必ず自身の会社の就業規則を確認するようにしてください。就業規則を確認せずにダブルワークを始め、後々トラブルに発展するケースも少なくありません疑問点があれば、人事部などに相談し、不明点を解消しておくことが大切です。

労働時間の管理

ダブルワークを行う場合、労働時間の管理も重要です。前述のとおり、本業とダブルワークの合計労働時間が、法定労働時間を超えないように注意する必要があります。長時間労働は、健康や本業に悪影響を及ぼす可能性があります。労働時間を適切に管理しましょう。

労働時間の管理には、タイムカードやアプリなどを活用すると便利です。それぞれの仕事に費やした時間を記録することで、労働時間の把握がしやすくなります。また、適度な休憩は疲労の蓄積を防ぎ、集中力を維持するのに役立ちます。

確定申告

ダブルワークで得た収入が一定額を超える場合、確定申告が必要になります。確定申告とは、1年間の所得を計算し、納めるべき税金を確定させる手続きです。確定申告の手続きを怠ると、追徴課税や延滞税が発生する可能性があります。

確定申告が必要となる収入の基準は、給与所得とそれ以外の所得(事業所得など)で異なります。給与所得のみの場合は、原則として年収2,000万円を超えると確定申告が必要になります。給与所得以外に所得がある場合は、その所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。自身の所得状況を把握し、確定申告が必要かどうかを確認しましょう。

確定申告の手続きは、税務署に直接申告書を提出する方法や、e-Taxを利用する方法があります。国税庁のウェブサイトでは、確定申告に関する詳細な情報が提供されています。国税庁 確定申告書等作成コーナー

これらの点に注意し、しっかりと準備を整えることで、ダブルワークをスムーズに始めることができます。無理のない範囲で、ダブルワークのメリットを最大限に活かしましょう。

まとめ

この記事では、「ダブルワーク」について詳しく解説しました。

ダブルワークを検討する際は、メリット・デメリットと関連法規をよく理解し、自身の状況に合わせて慎重に判断しましょう。本業への影響を最小限に抑えつつ、新たな収入源やスキルアップの機会として有効に活用することで、より豊かな生活を送ることが可能になります。



本記事の担当

プロスパイア法律事務所
代表弁護士 光股知裕

損保系法律事務所、企業法務系法律事務所での経験を経てプロスパイア法律事務所を設立。IT・インフルエンサー関連事業を主な分野とするネクタル株式会社の代表取締役も務める。企業法務全般、ベンチャー企業法務、インターネット・IT関連法務などを中心に手掛ける。

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