Ⅲ 履行・対価に関する条項

01支払時期・支払場所の定め方:書かなければ、代金はいつどこで払うのか【基礎実務】代金の支払時期や支払場所を契約書に書かなければ、民法の原則が埋めます。引渡しと同じ期限に、売主の住所へ持参して支払う。実務の「月末締め翌月末払い・振込」は、この原則を書き換えたものです。何を書き換えているのかを知ると、条項の抜けに気づけます。02支払方法と振込手数料の負担:甲乙の書き違いと口座の変更【基礎実務】支払方法を書かなければ現金の持参、振込手数料を書かなければ買主の負担になります。条項に書いていても、「振込手数料は甲の負担とする」の甲が誰を指すのか、振込先の口座が変わったらどうするのかで争いが残ります。立場ごとの書き分けと改善例を示します。03法定利率と約定利率:改正民法の変動利率と、利率を書いておく理由【基礎実務】改正民法で法定利率は年3%の変動制になりました。遅延損害金の利率は、債権ごとに遅滞に陥った時点の法定利率で決まります。約定利率を書く理由は、利率を高くするためだけではありません。法定利率の変動を追わずに済むという、予測可能性のための理由を整理します。04遅延損害金条項の設計:利率の水準・起算日・上限【基礎実務】遅延損害金条項の年14.6%は、法律が企業間取引の水準として定めた数字ではありません。利率の水準、起算日、消費者契約法9条の上限、利息制限法が売買代金にかからない理由、法定利率を下回る利率を書いたときの問題まで、受け取る側と支払う側に分けて整理します。05相殺の基本と相殺予約:書かなくてもできることを、なぜ条項にするのか【応用実務】相殺は契約書に書かなくてもできます。それでも相殺の条項を置くのは、民法が求める「双方の債務が弁済期にあること」という要件を、契約で前倒しするためです。相殺予約が動かすもの・動かさないもの(法令上の相殺禁止、取適法)と、相殺する側・される側それぞれの書き方を整理します。06差押えと相殺の優劣:差押え前に取得した債権と、相殺予約の効力【専門】取引先の債権が差し押さえられたとき、自社が持つ債権で相殺して差押債権者に対抗できるか。民法511条は、自社の債権を差押えの前に取得したかどうかで線を引きました。最大判昭和45年6月24日から改正法の「前の原因」までを整理し、相殺予約の効力が差押債権者に及ぶかを確認します。07追加担保請求条項:担保を差し出させる約束は、どこまで効くか【応用実務】「請求があれば担保を提供する」という条項は、担保そのものではなく、担保を差し出す約束です。応じなければ期限の利益を失う、と書いてあっても、担保価値の下落の程度によっては期限の利益喪失が否定された裁判例があります。請求できる事由と、応じないときの効果の書き方を、担保を求める側・求められる側の両方から見ます。08保証金・預託金:取引一般の場合【応用実務】取引基本契約の保証金は、条項に書いただけでは担保にならず、お金が預けられて初めて担保になります。金額と差入日、充当と補填、保証金との相殺の禁止、返還時期と利息。よくある条項例に抜けている点を、預かる側・預ける側それぞれの立場から整理します。09報告義務条項:何を、どの頻度で【基礎実務】業務委託契約の報告義務条項は、「適時、報告を求めることができる」で止まっていると、求めない限り報告が来ません。委任なら民法645条の報告義務がありますが、請負と解釈されれば当てにできません。報告の中身・頻度・方法と、報告を受けた後の是正までを、委託者・受託者それぞれの立場から整理します。10担当者条項と窓口の特定:名前を書いた後の変更と、担当者の約束【入門】担当者条項は、誰に届けば相手方に届いたことになるかを決める条項です。担当者が異動しても記載が古いまま残る、通知条項と宛先が食い違う、担当者どうしの約束が契約の変更と主張される。取引基本契約で起きやすい3つの問題と、担当者条項・通知条項・変更条項の役割分担を整理します。11クレーム処理条項の設計:誰が受け、誰が調べ、誰が払うか【基礎実務】消費者からのクレームは、販売した買主に来ることが多いのに、原因を知っているのは製造した売主です。「直ちに通知し、協議する」だけの条項では、誰が調べ、いつまでに何をし、費用を誰が払うかが決まりません。回収費用や弁護士費用の扱いまで含めて、売主・買主それぞれの書き方を整理します。
10 共通条項の条項別解説

支払時期・支払場所の定め方:書かなければ、代金はいつどこで払うのか

代金の支払時期や支払場所を契約書に書かなければ、民法の原則が埋めます。引渡しと同じ期限に、売主の住所へ持参して支払う。実務の「月末締め翌月末払い・振込」は、この原則を書き換えたものです。何を書き換えているのかを知ると、条項の抜けに気づけます。
10 共通条項の条項別解説

支払方法と振込手数料の負担:甲乙の書き違いと口座の変更

支払方法を書かなければ現金の持参、振込手数料を書かなければ買主の負担になります。条項に書いていても、「振込手数料は甲の負担とする」の甲が誰を指すのか、振込先の口座が変わったらどうするのかで争いが残ります。立場ごとの書き分けと改善例を示します。
10 共通条項の条項別解説

法定利率と約定利率:改正民法の変動利率と、利率を書いておく理由

改正民法で法定利率は年3%の変動制になりました。遅延損害金の利率は、債権ごとに遅滞に陥った時点の法定利率で決まります。約定利率を書く理由は、利率を高くするためだけではありません。法定利率の変動を追わずに済むという、予測可能性のための理由を整理します。
10 共通条項の条項別解説

遅延損害金条項の設計:利率の水準・起算日・上限

遅延損害金条項の年14.6%は、法律が企業間取引の水準として定めた数字ではありません。利率の水準、起算日、消費者契約法9条の上限、利息制限法が売買代金にかからない理由、法定利率を下回る利率を書いたときの問題まで、受け取る側と支払う側に分けて整理します。
10 共通条項の条項別解説

相殺の基本と相殺予約:書かなくてもできることを、なぜ条項にするのか

相殺は契約書に書かなくてもできます。それでも相殺の条項を置くのは、民法が求める「双方の債務が弁済期にあること」という要件を、契約で前倒しするためです。相殺予約が動かすもの・動かさないもの(法令上の相殺禁止、取適法)と、相殺する側・される側それぞれの書き方を整理します。
10 共通条項の条項別解説

差押えと相殺の優劣:差押え前に取得した債権と、相殺予約の効力

取引先の債権が差し押さえられたとき、自社が持つ債権で相殺して差押債権者に対抗できるか。民法511条は、自社の債権を差押えの前に取得したかどうかで線を引きました。最大判昭和45年6月24日から改正法の「前の原因」までを整理し、相殺予約の効力が差押債権者に及ぶかを確認します。
10 共通条項の条項別解説

追加担保請求条項:担保を差し出させる約束は、どこまで効くか

「請求があれば担保を提供する」という条項は、担保そのものではなく、担保を差し出す約束です。応じなければ期限の利益を失う、と書いてあっても、担保価値の下落の程度によっては期限の利益喪失が否定された裁判例があります。請求できる事由と、応じないときの効果の書き方を、担保を求める側・求められる側の両方から見ます。
10 共通条項の条項別解説

保証金・預託金:取引一般の場合

取引基本契約の保証金は、条項に書いただけでは担保にならず、お金が預けられて初めて担保になります。金額と差入日、充当と補填、保証金との相殺の禁止、返還時期と利息。よくある条項例に抜けている点を、預かる側・預ける側それぞれの立場から整理します。
10 共通条項の条項別解説

報告義務条項:何を、どの頻度で

業務委託契約の報告義務条項は、「適時、報告を求めることができる」で止まっていると、求めない限り報告が来ません。委任なら民法645条の報告義務がありますが、請負と解釈されれば当てにできません。報告の中身・頻度・方法と、報告を受けた後の是正までを、委託者・受託者それぞれの立場から整理します。
10 共通条項の条項別解説

担当者条項と窓口の特定:名前を書いた後の変更と、担当者の約束

担当者条項は、誰に届けば相手方に届いたことになるかを決める条項です。担当者が異動しても記載が古いまま残る、通知条項と宛先が食い違う、担当者どうしの約束が契約の変更と主張される。取引基本契約で起きやすい3つの問題と、担当者条項・通知条項・変更条項の役割分担を整理します。
10 共通条項の条項別解説

クレーム処理条項の設計:誰が受け、誰が調べ、誰が払うか

消費者からのクレームは、販売した買主に来ることが多いのに、原因を知っているのは製造した売主です。「直ちに通知し、協議する」だけの条項では、誰が調べ、いつまでに何をし、費用を誰が払うかが決まりません。回収費用や弁護士費用の扱いまで含めて、売主・買主それぞれの書き方を整理します。