Ⅵ 相手方の変動・信用に関する条項

01再委託の可否と承諾の要否:請負なら自由、準委任なら制限という建付け【基礎実務】再委託の条項がない契約で、受託者が業務を外に出しました。止められるかは、その契約が請負か準委任かで変わります。民法644条の2の自己執行義務、請負に規定がない意味、そして性質決定が争いになる契約でどう書くかを扱います。02再委託先の行為に対する責任:「一切の責任を負う」は何も足していない【基礎実務】「再委託先の行為について乙が一切の責任を負う」。この一文は、実は何も足していません。条項がなくても再委託先の落ち度は受託者の債務不履行だからです。ではレビューでどこを見るのか——再委託先を把握する手段と、それを実際に使うことです。03債権譲渡制限特約の効力:「譲渡を禁止する」と書いても譲渡は止まらない【応用実務】「相手方の承諾なく譲渡してはならない」と書いてある契約で、債権が譲渡されました。2017年改正により、この譲渡は有効です。条項に残った機能は履行拒絶の抗弁だけで、違反を理由とする解除は権利濫用と評価され得ます。では何のために置くのかを扱います。04債務引受と契約上の地位の移転:条文が答えていないことを、条項が決める【応用実務】契約上の地位の移転を定める民法539条の2は、一文しかありません。譲渡人が抜けるのか、未払いの代金はどちらに行くのか、事前の包括承諾は効くのか。改正が明文化を見送った7項目と、それを条項でどう埋めるかを扱います。05将来債権の譲渡:まだ発生していない債権を譲る。どこまで、いつまで【専門】来年の売上を、いま担保に出せるか。出せます。ただし条文は「発生していなくてよい」としか書いていません。何年先まで譲れるのか、譲った後で事業や不動産が他人に移ったら債権はどちらのものか。判例が引いた線と、明文化が見送られた穴を扱います。06Change of Control条項の設計:通知は来るが、何もできない契約になっていないか【応用実務】取引先の株式が競合他社に買われました。契約の当事者は変わっていないので、契約はそのまま続きます。通知義務だけを置いた契約では、知らせは来ても取引をやめる根拠がありません。知る仕組みと、知ったあと動ける仕組みの二階建てで設計します。07期限の利益喪失:自動で効くほうが有利、とは限らない【基礎実務】期限の利益喪失条項には、通知なしで自動的に効く当然喪失型と、請求して初めて効く請求喪失型があります。自動のほうが有利に見えますが、当然喪失型は消滅時効を早く走らせ、放置すれば信義則で覆されます。事由の性質で振り分ける書き方を扱います。08過怠約款:「2回分怠ったとき」の数え方【応用実務】「分割金の支払を2回分怠ったとき」。この書き方では、2回続けてなのか、通算2回なのか、一部弁済があったときはどうなのかが決まりません。一括請求の入口で止まらないように、回数と金額で条件を閉じる直し方を扱います。
10 共通条項の条項別解説

再委託の可否と承諾の要否:請負なら自由、準委任なら制限という建付け

再委託の条項がない契約で、受託者が業務を外に出しました。止められるかは、その契約が請負か準委任かで変わります。民法644条の2の自己執行義務、請負に規定がない意味、そして性質決定が争いになる契約でどう書くかを扱います。
10 共通条項の条項別解説

再委託先の行為に対する責任:「一切の責任を負う」は何も足していない

「再委託先の行為について乙が一切の責任を負う」。この一文は、実は何も足していません。条項がなくても再委託先の落ち度は受託者の債務不履行だからです。ではレビューでどこを見るのか——再委託先を把握する手段と、それを実際に使うことです。
10 共通条項の条項別解説

債権譲渡制限特約の効力:「譲渡を禁止する」と書いても譲渡は止まらない

「相手方の承諾なく譲渡してはならない」と書いてある契約で、債権が譲渡されました。2017年改正により、この譲渡は有効です。条項に残った機能は履行拒絶の抗弁だけで、違反を理由とする解除は権利濫用と評価され得ます。では何のために置くのかを扱います。
10 共通条項の条項別解説

債務引受と契約上の地位の移転:条文が答えていないことを、条項が決める

契約上の地位の移転を定める民法539条の2は、一文しかありません。譲渡人が抜けるのか、未払いの代金はどちらに行くのか、事前の包括承諾は効くのか。改正が明文化を見送った7項目と、それを条項でどう埋めるかを扱います。
10 共通条項の条項別解説

将来債権の譲渡:まだ発生していない債権を譲る。どこまで、いつまで

来年の売上を、いま担保に出せるか。出せます。ただし条文は「発生していなくてよい」としか書いていません。何年先まで譲れるのか、譲った後で事業や不動産が他人に移ったら債権はどちらのものか。判例が引いた線と、明文化が見送られた穴を扱います。
10 共通条項の条項別解説

Change of Control条項の設計:通知は来るが、何もできない契約になっていないか

取引先の株式が競合他社に買われました。契約の当事者は変わっていないので、契約はそのまま続きます。通知義務だけを置いた契約では、知らせは来ても取引をやめる根拠がありません。知る仕組みと、知ったあと動ける仕組みの二階建てで設計します。
10 共通条項の条項別解説

期限の利益喪失:自動で効くほうが有利、とは限らない

期限の利益喪失条項には、通知なしで自動的に効く当然喪失型と、請求して初めて効く請求喪失型があります。自動のほうが有利に見えますが、当然喪失型は消滅時効を早く走らせ、放置すれば信義則で覆されます。事由の性質で振り分ける書き方を扱います。
10 共通条項の条項別解説

過怠約款:「2回分怠ったとき」の数え方

「分割金の支払を2回分怠ったとき」。この書き方では、2回続けてなのか、通算2回なのか、一部弁済があったときはどうなのかが決まりません。一括請求の入口で止まらないように、回数と金額で条件を閉じる直し方を扱います。