紛争

01日本の契約成立は「総合判断」で認定される:申込み・承諾型との違い【応用実務】企業間の取引で、どれが申込みでどれが承諾かを特定できることは多くありません。日本の裁判所が交渉の全体から契約の成立を認定する実際を判決で確かめ、「組織型契約」という理論と照らし合わせたうえで、成立の時点を争わせないための書き方を整理します。02契約書がなくても契約は成立する:そのとき何を証拠にするか【基礎実務】契約は契約書がなくても成立します。では、裁判所は何を見て成立を判断するのか。「言い値で買い取る」確約書があっても5億円の売買が成立しなかった東京地裁判決から、契約書がない取引で残しておくべき記録と、代金が決まらないまま取引を始めるときの備えを整理します。03意思表示の瑕疵:錯誤・詐欺・強迫【基礎実務】「そんなつもりではなかった」という主張はいつ通るか。2017年改正で錯誤は無効から取消しになり、動機の錯誤には「その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたとき」という要件が明文化されました。前提事実を契約書に書いておくことと表明保証条項が、同じ問題を扱っていることまで整理します。04目的条項が軽微性の判断に効く場面【応用実務】催告しても不履行が「軽微」なら解除できません(民法541条ただし書)。軽微かどうかは「その契約」に照らして判断されるため、争いは「この契約の目的は何だったか」に移ります。暗号通貨採掘システムの売買で目的が争われた裁判例から、目的条項に何を書いておくかを考えます。05双務契約に特有の効力:同時履行・危険負担【基礎実務】相手が払わないのに渡さなければならないか。同時履行の抗弁権(民法533条)は、履行遅滞・判決主文・強制執行の3つの場面に効きます。危険負担(民法536条)は2017年改正で債務消滅構成から履行拒絶権構成に変わりました。契約書で支払と引渡しの順序を決めるときの視点まで整理します。06差押えと相殺の優劣:差押え前に取得した債権と、相殺予約の効力【専門】取引先の債権が差し押さえられたとき、自社が持つ債権で相殺して差押債権者に対抗できるか。民法511条は、自社の債権を差押えの前に取得したかどうかで線を引きました。最大判昭和45年6月24日から改正法の「前の原因」までを整理し、相殺予約の効力が差押債権者に及ぶかを確認します。07債務不履行責任と不法行為責任の関係:責任制限条項は不法行為にも効くか【基礎実務】責任制限条項を作り込んでも、不法行為構成で回避されては意味がありません。契約条項が不法行為責任にも及ぶとした最高裁判例と、故意・重過失の場合に外れる場面を整理し、条項の書き出しをどう定めるかを扱います。08損害の範囲と予見可能性:契約書に書くと予見の側に効く【基礎実務】どこまでが「その債務の不履行によって生じた損害」か。通常損害と特別損害の境目に一般的な基準はありません。「予見すべきであった」への改正が何を変えたかと、契約書に取引の目的を書くことが予見可能性の判断に効く仕組みを整理します。09予定額を超える損害が生じた場合【応用実務】違約金の額を超える損害が出ても、条項に一文がなければ差額は請求できません。民法420条3項の推定を前提に、レビューで見る5点と、請求する側・される側それぞれの書き足し方、交渉での説明の順序を扱います。10譲受人の主観的態様と表明保証責任【専門】買主が表明保証違反を知っていた、あるいは知り得た場合に責任を追及できるか。重大な過失があれば悪意と同視される余地を示しつつ、デューディリジェンスは買主の権利であって義務ではないとした裁判例から、契約書への還元を扱います。11事情変更の原則:前提が崩れたら契約から降りられるか【専門】原材料が3倍になったら契約から降りられるのか。事情変更の原則は判例で認められていますが、適用される場面は極めて限定的です。判例3件が示す要件、2017年改正で明文化が見送られた理由、そして契約書に代金変更請求権と再交渉義務をどう書くかを扱います。
04 契約締結過程と契約の成立

日本の契約成立は「総合判断」で認定される:申込み・承諾型との違い

企業間の取引で、どれが申込みでどれが承諾かを特定できることは多くありません。日本の裁判所が交渉の全体から契約の成立を認定する実際を判決で確かめ、「組織型契約」という理論と照らし合わせたうえで、成立の時点を争わせないための書き方を整理します。
04 契約締結過程と契約の成立

契約書がなくても契約は成立する:そのとき何を証拠にするか

契約は契約書がなくても成立します。では、裁判所は何を見て成立を判断するのか。「言い値で買い取る」確約書があっても5億円の売買が成立しなかった東京地裁判決から、契約書がない取引で残しておくべき記録と、代金が決まらないまま取引を始めるときの備えを整理します。
02 契約の基礎理論

意思表示の瑕疵:錯誤・詐欺・強迫

「そんなつもりではなかった」という主張はいつ通るか。2017年改正で錯誤は無効から取消しになり、動機の錯誤には「その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたとき」という要件が明文化されました。前提事実を契約書に書いておくことと表明保証条項が、同じ問題を扱っていることまで整理します。
10 共通条項の条項別解説

目的条項が軽微性の判断に効く場面

催告しても不履行が「軽微」なら解除できません(民法541条ただし書)。軽微かどうかは「その契約」に照らして判断されるため、争いは「この契約の目的は何だったか」に移ります。暗号通貨採掘システムの売買で目的が争われた裁判例から、目的条項に何を書いておくかを考えます。
02 契約の基礎理論

双務契約に特有の効力:同時履行・危険負担

相手が払わないのに渡さなければならないか。同時履行の抗弁権(民法533条)は、履行遅滞・判決主文・強制執行の3つの場面に効きます。危険負担(民法536条)は2017年改正で債務消滅構成から履行拒絶権構成に変わりました。契約書で支払と引渡しの順序を決めるときの視点まで整理します。
10 共通条項の条項別解説

差押えと相殺の優劣:差押え前に取得した債権と、相殺予約の効力

取引先の債権が差し押さえられたとき、自社が持つ債権で相殺して差押債権者に対抗できるか。民法511条は、自社の債権を差押えの前に取得したかどうかで線を引きました。最大判昭和45年6月24日から改正法の「前の原因」までを整理し、相殺予約の効力が差押債権者に及ぶかを確認します。
10 共通条項の条項別解説

債務不履行責任と不法行為責任の関係:責任制限条項は不法行為にも効くか

責任制限条項を作り込んでも、不法行為構成で回避されては意味がありません。契約条項が不法行為責任にも及ぶとした最高裁判例と、故意・重過失の場合に外れる場面を整理し、条項の書き出しをどう定めるかを扱います。
10 共通条項の条項別解説

損害の範囲と予見可能性:契約書に書くと予見の側に効く

どこまでが「その債務の不履行によって生じた損害」か。通常損害と特別損害の境目に一般的な基準はありません。「予見すべきであった」への改正が何を変えたかと、契約書に取引の目的を書くことが予見可能性の判断に効く仕組みを整理します。
10 共通条項の条項別解説

予定額を超える損害が生じた場合

違約金の額を超える損害が出ても、条項に一文がなければ差額は請求できません。民法420条3項の推定を前提に、レビューで見る5点と、請求する側・される側それぞれの書き足し方、交渉での説明の順序を扱います。
10 共通条項の条項別解説

譲受人の主観的態様と表明保証責任

買主が表明保証違反を知っていた、あるいは知り得た場合に責任を追及できるか。重大な過失があれば悪意と同視される余地を示しつつ、デューディリジェンスは買主の権利であって義務ではないとした裁判例から、契約書への還元を扱います。
10 共通条項の条項別解説

事情変更の原則:前提が崩れたら契約から降りられるか

原材料が3倍になったら契約から降りられるのか。事情変更の原則は判例で認められていますが、適用される場面は極めて限定的です。判例3件が示す要件、2017年改正で明文化が見送られた理由、そして契約書に代金変更請求権と再交渉義務をどう書くかを扱います。