システム開発契約書

01別紙・仕様書への切り出し方【基礎実務】別紙に出すのは本文をすっきりさせるためではなく、変更の手続を分けるためです。仕様・作業分担・個人情報の取扱いの切り出し方と、別紙の付け忘れ・変更手続の不在という問題、本文と別紙で変更手続を分ける条項例を示します。02先の見通しの立たない取引をどう契約にするか【専門】システム開発や共同研究のように、始める時点で何が起きるか分からない取引をどう契約にするか。決まっていることと後で決まることを分け、多段階契約、協議条項と不調時の処理、再交渉条項(ハードシップ条項)、段階ごとの解約権の4つの道具の使い分けを整理します。03賠償範囲を限定する条項の設計:「通常損害に限る」で落ちるのは特別損害だけ【応用実務】「通常生ずべき損害に限る」と書いても、実際にはほとんど何も変わりません。「直接損害」「現実に生じた損害」が定義されない問題と、落とす損害項目を名指しする改善例、そして条項が限定解釈される場面を整理します。04責任上限条項の設計と相場:上限は対価とセットで決まる【応用実務】賠償額に天井を置く条項は、低く書くほど安全というものではありません。上限が対価と結びついている構造、故意・重過失で外れること、そして例外を書いても定義で空振りした裁判例を扱います。05免責条項の限界:公序良俗・信義則【応用実務】免責条項の効力を正面から決める条文は民法にありません。故意・重過失・軽過失で扱いが分かれる理由、重過失の意味をめぐる二つの理解、そして除外を書かなかったときに条項全体が失われる構造を扱います。06委託先監督義務と契約条項:秘密保持条項があれば足りるのか【応用実務】顧客名簿を渡す業務委託で、秘密保持条項があれば足りるのか。個人情報保護法25条の監督義務は契約で緩められません。「必要かつ適切な監督」の3要素、秘密保持条項との3つの違い、そして相手が大手クラウドで監査に応じないときの落としどころを扱います。07再委託の扱い:個人データが二次先へ流れるとき【応用実務】委託先がさらに別の会社に出しているとき、委託元は何をすればよいのか。再委託先の事故が委託元の法違反と判断され得ること、条項を入れただけでは監督したことにならないこと、そして原則禁止型・事前通知型・事後報告型の使い分けを扱います。08漏えい等発生時の報告・通知義務と契約条項【応用実務】委託先から「不正アクセスがあったようです」と連絡が来たとき、報告するのは誰か。速報の目安3〜5日、確報30日、そして委託先が委託元に通知した瞬間に報告も本人通知も委託元の仕事になる仕組みを、条項の書き方まで落として扱います。09成果物の権利帰属の定め方:「一切の権利」では足りない【基礎実務】「本件業務の過程で生じた著作権その他一切の権利は甲に帰属する」と書いても、著作権法61条2項により27条・28条は受託者に残ったものと推定されます。特掲の要否、譲渡か確認かの区別、対価の書き込み、そして特掲していてもなお対象物の範囲で争いになった裁判例を扱います。10著作者人格権不行使特約:書いても効かないことがある【応用実務】著作者人格権は譲渡できないので、実務は「行使しない」と約束させます。ところが不行使特約が契約書にあったのに氏名表示権については合意がなかったとされた裁判例と、特約がないのに同一性保持権の行使が認められなかった裁判例があります。どちらも決め手は慣行でした。11既存知財と成果物の切り分け:受託者が自分の資産を使えなくなる条項【応用実務】「成果物の著作権は委託者に移転する」と書くと、受託者が過去に作った共通ライブラリまで移転しかねません。留保だけを書くと今度は委託者が納品物を使えません。留保と利用許諾を組で書く方法と、中小受託取引適正化法の限界を扱います。12非侵害保証条項の意義:保証させても、侵害を証明できなければ動かない【応用実務】「第三者の権利を侵害しないことを保証する」と書かせても、発動するには侵害の証明が要ります。証明できずに保証条項が空振りした知財高裁の事件を軸に、保証の強度の4段階、地理的範囲、責任上限、そして保証より手続のほうが効く理由を扱います。13侵害が判明した場合の対応義務と費用負担:「解決し、または協力し」の「または」が争われた【応用実務】「自己の費用と責任で解決し、または協力し、一切迷惑をかけない」。この一文の「または」をめぐって主導権が争われ、買主が単独でライセンス契約を結んだ結果、過失相殺で7割が削られた事件があります。通知・情報提供・主導権・和解権限の書き分けを扱います。14再委託の可否と承諾の要否:請負なら自由、準委任なら制限という建付け【基礎実務】再委託の条項がない契約で、受託者が業務を外に出しました。止められるかは、その契約が請負か準委任かで変わります。民法644条の2の自己執行義務、請負に規定がない意味、そして性質決定が争いになる契約でどう書くかを扱います。15再委託先の行為に対する責任:「一切の責任を負う」は何も足していない【基礎実務】「再委託先の行為について乙が一切の責任を負う」。この一文は、実は何も足していません。条項がなくても再委託先の落ち度は受託者の債務不履行だからです。ではレビューでどこを見るのか——再委託先を把握する手段と、それを実際に使うことです。
05 契約書を作成する技術

別紙・仕様書への切り出し方

別紙に出すのは本文をすっきりさせるためではなく、変更の手続を分けるためです。仕様・作業分担・個人情報の取扱いの切り出し方と、別紙の付け忘れ・変更手続の不在という問題、本文と別紙で変更手続を分ける条項例を示します。
04 契約締結過程と契約の成立

先の見通しの立たない取引をどう契約にするか

システム開発や共同研究のように、始める時点で何が起きるか分からない取引をどう契約にするか。決まっていることと後で決まることを分け、多段階契約、協議条項と不調時の処理、再交渉条項(ハードシップ条項)、段階ごとの解約権の4つの道具の使い分けを整理します。
10 共通条項の条項別解説

賠償範囲を限定する条項の設計:「通常損害に限る」で落ちるのは特別損害だけ

「通常生ずべき損害に限る」と書いても、実際にはほとんど何も変わりません。「直接損害」「現実に生じた損害」が定義されない問題と、落とす損害項目を名指しする改善例、そして条項が限定解釈される場面を整理します。
10 共通条項の条項別解説

責任上限条項の設計と相場:上限は対価とセットで決まる

賠償額に天井を置く条項は、低く書くほど安全というものではありません。上限が対価と結びついている構造、故意・重過失で外れること、そして例外を書いても定義で空振りした裁判例を扱います。
10 共通条項の条項別解説

免責条項の限界:公序良俗・信義則

免責条項の効力を正面から決める条文は民法にありません。故意・重過失・軽過失で扱いが分かれる理由、重過失の意味をめぐる二つの理解、そして除外を書かなかったときに条項全体が失われる構造を扱います。
10 共通条項の条項別解説

委託先監督義務と契約条項:秘密保持条項があれば足りるのか

顧客名簿を渡す業務委託で、秘密保持条項があれば足りるのか。個人情報保護法25条の監督義務は契約で緩められません。「必要かつ適切な監督」の3要素、秘密保持条項との3つの違い、そして相手が大手クラウドで監査に応じないときの落としどころを扱います。
10 共通条項の条項別解説

再委託の扱い:個人データが二次先へ流れるとき

委託先がさらに別の会社に出しているとき、委託元は何をすればよいのか。再委託先の事故が委託元の法違反と判断され得ること、条項を入れただけでは監督したことにならないこと、そして原則禁止型・事前通知型・事後報告型の使い分けを扱います。
10 共通条項の条項別解説

漏えい等発生時の報告・通知義務と契約条項

委託先から「不正アクセスがあったようです」と連絡が来たとき、報告するのは誰か。速報の目安3〜5日、確報30日、そして委託先が委託元に通知した瞬間に報告も本人通知も委託元の仕事になる仕組みを、条項の書き方まで落として扱います。
10 共通条項の条項別解説

成果物の権利帰属の定め方:「一切の権利」では足りない

「本件業務の過程で生じた著作権その他一切の権利は甲に帰属する」と書いても、著作権法61条2項により27条・28条は受託者に残ったものと推定されます。特掲の要否、譲渡か確認かの区別、対価の書き込み、そして特掲していてもなお対象物の範囲で争いになった裁判例を扱います。
10 共通条項の条項別解説

著作者人格権不行使特約:書いても効かないことがある

著作者人格権は譲渡できないので、実務は「行使しない」と約束させます。ところが不行使特約が契約書にあったのに氏名表示権については合意がなかったとされた裁判例と、特約がないのに同一性保持権の行使が認められなかった裁判例があります。どちらも決め手は慣行でした。
10 共通条項の条項別解説

既存知財と成果物の切り分け:受託者が自分の資産を使えなくなる条項

「成果物の著作権は委託者に移転する」と書くと、受託者が過去に作った共通ライブラリまで移転しかねません。留保だけを書くと今度は委託者が納品物を使えません。留保と利用許諾を組で書く方法と、中小受託取引適正化法の限界を扱います。
10 共通条項の条項別解説

非侵害保証条項の意義:保証させても、侵害を証明できなければ動かない

「第三者の権利を侵害しないことを保証する」と書かせても、発動するには侵害の証明が要ります。証明できずに保証条項が空振りした知財高裁の事件を軸に、保証の強度の4段階、地理的範囲、責任上限、そして保証より手続のほうが効く理由を扱います。
10 共通条項の条項別解説

侵害が判明した場合の対応義務と費用負担:「解決し、または協力し」の「または」が争われた

「自己の費用と責任で解決し、または協力し、一切迷惑をかけない」。この一文の「または」をめぐって主導権が争われ、買主が単独でライセンス契約を結んだ結果、過失相殺で7割が削られた事件があります。通知・情報提供・主導権・和解権限の書き分けを扱います。
10 共通条項の条項別解説

再委託の可否と承諾の要否:請負なら自由、準委任なら制限という建付け

再委託の条項がない契約で、受託者が業務を外に出しました。止められるかは、その契約が請負か準委任かで変わります。民法644条の2の自己執行義務、請負に規定がない意味、そして性質決定が争いになる契約でどう書くかを扱います。
10 共通条項の条項別解説

再委託先の行為に対する責任:「一切の責任を負う」は何も足していない

「再委託先の行為について乙が一切の責任を負う」。この一文は、実は何も足していません。条項がなくても再委託先の落ち度は受託者の債務不履行だからです。ではレビューでどこを見るのか——再委託先を把握する手段と、それを実際に使うことです。