Ⅴ 情報・権利の帰属に関する条項

01秘密情報の範囲の定め方【基礎実務】秘密保持条項は、何を秘密情報とするかで射程が決まります。包括型と限定型の違い、口頭で伝えた情報の扱い、そして「広く書けば守られる」が成り立たない理由を、実務書3冊の指摘から整理します。02秘密情報から除外される情報【基礎実務】秘密保持条項のただし書は、条項の射程を後ろから削ります。除外事由5つの並べ方、立証責任をどちらに置くか、そして「法令に基づく開示」をここに入れてはいけない理由を整理します。03秘密保持義務の内容と存続期間:無期限を求められたときの返し方【基礎実務】秘密保持義務を無期限にすると求められたとき、どう返すか。義務の中身・開示できる範囲・存続期間の3つを分けて見る方法と、期間が長すぎることが条項の効力に響く裁判例を整理します。04法令・行政機関からの開示要求への対応:捜査機関から求められたとき【応用実務】捜査機関や監督官庁から開示を求められたとき、秘密保持条項が判断の妨げになることがあります。除外事由に置くべきでない理由、通知義務を努力義務型にする理由、そして自社が紛争の当事者になったときの扱いを整理します。05委託先監督義務と契約条項:秘密保持条項があれば足りるのか【応用実務】顧客名簿を渡す業務委託で、秘密保持条項があれば足りるのか。個人情報保護法25条の監督義務は契約で緩められません。「必要かつ適切な監督」の3要素、秘密保持条項との3つの違い、そして相手が大手クラウドで監査に応じないときの落としどころを扱います。06再委託の扱い:個人データが二次先へ流れるとき【応用実務】委託先がさらに別の会社に出しているとき、委託元は何をすればよいのか。再委託先の事故が委託元の法違反と判断され得ること、条項を入れただけでは監督したことにならないこと、そして原則禁止型・事前通知型・事後報告型の使い分けを扱います。07漏えい等発生時の報告・通知義務と契約条項【応用実務】委託先から「不正アクセスがあったようです」と連絡が来たとき、報告するのは誰か。速報の目安3〜5日、確報30日、そして委託先が委託元に通知した瞬間に報告も本人通知も委託元の仕事になる仕組みを、条項の書き方まで落として扱います。08個人データの越境移転:条項でどこまで確保するか【専門】海外の委託先から「個人情報保護法および関係法令に従い適切に対応する」の一文でどうかと言われたら。基準適合体制は契約そのものが体制になります。何をどこまで書けばよいのか、移転先が決まっていないときの本人同意、そして提供後の年1回の確認義務までを条項に落とします。09成果物の権利帰属の定め方:「一切の権利」では足りない【基礎実務】「本件業務の過程で生じた著作権その他一切の権利は甲に帰属する」と書いても、著作権法61条2項により27条・28条は受託者に残ったものと推定されます。特掲の要否、譲渡か確認かの区別、対価の書き込み、そして特掲していてもなお対象物の範囲で争いになった裁判例を扱います。10著作者人格権不行使特約:書いても効かないことがある【応用実務】著作者人格権は譲渡できないので、実務は「行使しない」と約束させます。ところが不行使特約が契約書にあったのに氏名表示権については合意がなかったとされた裁判例と、特約がないのに同一性保持権の行使が認められなかった裁判例があります。どちらも決め手は慣行でした。11既存知財と成果物の切り分け:受託者が自分の資産を使えなくなる条項【応用実務】「成果物の著作権は委託者に移転する」と書くと、受託者が過去に作った共通ライブラリまで移転しかねません。留保だけを書くと今度は委託者が納品物を使えません。留保と利用許諾を組で書く方法と、中小受託取引適正化法の限界を扱います。12非侵害保証条項の意義:保証させても、侵害を証明できなければ動かない【応用実務】「第三者の権利を侵害しないことを保証する」と書かせても、発動するには侵害の証明が要ります。証明できずに保証条項が空振りした知財高裁の事件を軸に、保証の強度の4段階、地理的範囲、責任上限、そして保証より手続のほうが効く理由を扱います。13侵害が判明した場合の対応義務と費用負担:「解決し、または協力し」の「または」が争われた【応用実務】「自己の費用と責任で解決し、または協力し、一切迷惑をかけない」。この一文の「または」をめぐって主導権が争われ、買主が単独でライセンス契約を結んだ結果、過失相殺で7割が削られた事件があります。通知・情報提供・主導権・和解権限の書き分けを扱います。
10 共通条項の条項別解説

秘密情報の範囲の定め方

秘密保持条項は、何を秘密情報とするかで射程が決まります。包括型と限定型の違い、口頭で伝えた情報の扱い、そして「広く書けば守られる」が成り立たない理由を、実務書3冊の指摘から整理します。
10 共通条項の条項別解説

秘密情報から除外される情報

秘密保持条項のただし書は、条項の射程を後ろから削ります。除外事由5つの並べ方、立証責任をどちらに置くか、そして「法令に基づく開示」をここに入れてはいけない理由を整理します。
10 共通条項の条項別解説

秘密保持義務の内容と存続期間:無期限を求められたときの返し方

秘密保持義務を無期限にすると求められたとき、どう返すか。義務の中身・開示できる範囲・存続期間の3つを分けて見る方法と、期間が長すぎることが条項の効力に響く裁判例を整理します。
10 共通条項の条項別解説

法令・行政機関からの開示要求への対応:捜査機関から求められたとき

捜査機関や監督官庁から開示を求められたとき、秘密保持条項が判断の妨げになることがあります。除外事由に置くべきでない理由、通知義務を努力義務型にする理由、そして自社が紛争の当事者になったときの扱いを整理します。
10 共通条項の条項別解説

委託先監督義務と契約条項:秘密保持条項があれば足りるのか

顧客名簿を渡す業務委託で、秘密保持条項があれば足りるのか。個人情報保護法25条の監督義務は契約で緩められません。「必要かつ適切な監督」の3要素、秘密保持条項との3つの違い、そして相手が大手クラウドで監査に応じないときの落としどころを扱います。
10 共通条項の条項別解説

再委託の扱い:個人データが二次先へ流れるとき

委託先がさらに別の会社に出しているとき、委託元は何をすればよいのか。再委託先の事故が委託元の法違反と判断され得ること、条項を入れただけでは監督したことにならないこと、そして原則禁止型・事前通知型・事後報告型の使い分けを扱います。
10 共通条項の条項別解説

漏えい等発生時の報告・通知義務と契約条項

委託先から「不正アクセスがあったようです」と連絡が来たとき、報告するのは誰か。速報の目安3〜5日、確報30日、そして委託先が委託元に通知した瞬間に報告も本人通知も委託元の仕事になる仕組みを、条項の書き方まで落として扱います。
10 共通条項の条項別解説

個人データの越境移転:条項でどこまで確保するか

海外の委託先から「個人情報保護法および関係法令に従い適切に対応する」の一文でどうかと言われたら。基準適合体制は契約そのものが体制になります。何をどこまで書けばよいのか、移転先が決まっていないときの本人同意、そして提供後の年1回の確認義務までを条項に落とします。
10 共通条項の条項別解説

成果物の権利帰属の定め方:「一切の権利」では足りない

「本件業務の過程で生じた著作権その他一切の権利は甲に帰属する」と書いても、著作権法61条2項により27条・28条は受託者に残ったものと推定されます。特掲の要否、譲渡か確認かの区別、対価の書き込み、そして特掲していてもなお対象物の範囲で争いになった裁判例を扱います。
10 共通条項の条項別解説

著作者人格権不行使特約:書いても効かないことがある

著作者人格権は譲渡できないので、実務は「行使しない」と約束させます。ところが不行使特約が契約書にあったのに氏名表示権については合意がなかったとされた裁判例と、特約がないのに同一性保持権の行使が認められなかった裁判例があります。どちらも決め手は慣行でした。
10 共通条項の条項別解説

既存知財と成果物の切り分け:受託者が自分の資産を使えなくなる条項

「成果物の著作権は委託者に移転する」と書くと、受託者が過去に作った共通ライブラリまで移転しかねません。留保だけを書くと今度は委託者が納品物を使えません。留保と利用許諾を組で書く方法と、中小受託取引適正化法の限界を扱います。
10 共通条項の条項別解説

非侵害保証条項の意義:保証させても、侵害を証明できなければ動かない

「第三者の権利を侵害しないことを保証する」と書かせても、発動するには侵害の証明が要ります。証明できずに保証条項が空振りした知財高裁の事件を軸に、保証の強度の4段階、地理的範囲、責任上限、そして保証より手続のほうが効く理由を扱います。
10 共通条項の条項別解説

侵害が判明した場合の対応義務と費用負担:「解決し、または協力し」の「または」が争われた

「自己の費用と責任で解決し、または協力し、一切迷惑をかけない」。この一文の「または」をめぐって主導権が争われ、買主が単独でライセンス契約を結んだ結果、過失相殺で7割が削られた事件があります。通知・情報提供・主導権・和解権限の書き分けを扱います。