02 契約の基礎理論

01契約自由の原則とその限界:4つの自由と、その外側【入門】契約自由の原則は、締結の自由・相手方選択の自由・内容決定の自由・方式の自由の4つに分かれます。2017年改正でこのうち3つが条文になり、同時に「法令に特別の定めがある場合を除き」「法令の制限内において」という限界も条文に書かれました。4つの自由それぞれがどこで制限されるかを、条文と実務書の記述で整理します。02任意規定と強行法規:「書かなければどうなるか」【基礎実務】契約書から条項を1つ削っても、その部分は空白になりません。民法や商法が当てはまるルールを用意しているからです。任意規定と強行規定の見分け方、任意規定の2つの働き方、そして任意規定が消費者契約法10条や定型約款の規定で条項を測る基準として使われていることを整理し、条項を読むときの3つの問いにまとめます。03典型契約という発想:民法の13類型と現実の取引【基礎実務】民法に「業務委託契約」という契約はありません。名前のある契約は13種類で、そのどれに当たるかで適用される規定が変わります。典型契約が何のためにあるのか、混合契約や現実類型をどう扱うのか、見極めた結果を契約書にどう書き込むのかを整理します。04意思表示の瑕疵:錯誤・詐欺・強迫【基礎実務】「そんなつもりではなかった」という主張はいつ通るか。2017年改正で錯誤は無効から取消しになり、動機の錯誤には「その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたとき」という要件が明文化されました。前提事実を契約書に書いておくことと表明保証条項が、同じ問題を扱っていることまで整理します。05無効・取消し・条件と期限【基礎実務】契約が「効かない」と言うとき、無効・取消し・条件未成就・期限到来のどれかで扱いが変わります。誰が主張できるか、いつまで主張できるか、渡したものをどう戻すか。条件付きの契約を書くときに決めておく4点と、分離可能性条項・期限の利益喪失条項が民法のどこを埋めているかまで整理します。06契約の当事者:代理と代表【基礎実務】会社は自分で押印できないので、必ず誰かが会社のために押します。その権限には代表と代理があり、支配人や、事業に関する特定の事項の委任を受けた使用人にも法律上の権限があります。部長名で締結された契約をどう扱うか、委任状で何を確かめるかまで、条文に即して整理します。07双務契約に特有の効力:同時履行・危険負担【基礎実務】相手が払わないのに渡さなければならないか。同時履行の抗弁権(民法533条)は、履行遅滞・判決主文・強制執行の3つの場面に効きます。危険負担(民法536条)は2017年改正で債務消滅構成から履行拒絶権構成に変わりました。契約書で支払と引渡しの順序を決めるときの視点まで整理します。08債権法改正が契約実務に与えた影響の全体像:判断の材料が変わった【基礎実務】債権法改正で契約書はどう変わったか。実務書は「契約書の作成という場面では、大きな影響を及ぼす改正点は意外に少ない」としています。それでも意識して検討する必要が生じたのはなぜか。帰責事由・契約不適合・定型約款・消滅時効・譲渡制限特約の5つの変化と、その底に流れる「契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして」という判断枠組みを整理します。09改正法の経過措置:どちらの民法が適用されるか【基礎実務】2020年4月1日より前に締結された契約には、いまも改正前民法が適用されます。ただし「施行日前の契約は全部旧法」ではなく、解除は契約締結日、債務不履行は債務の発生時、時効は債権の発生時、契約の成立は申込みの到達時と、論点ごとに基準時が違います。定型約款だけは遡って新法が適用されます。更新があった場合の扱いも含めて整理します。10消滅時効の全体像と契約実務への影響:協議の合意という道具【基礎実務】債権の消滅時効は、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年の二重の期間になりました。中断・停止は更新・完成猶予に組み替えられ、協議を行う旨の合意(民法151条)という新しい道具も生まれています。合意書の作り方、権利の特定の程度、契約書にあらかじめ書いても意味がない理由まで整理します。
02 契約の基礎理論

契約自由の原則とその限界:4つの自由と、その外側

契約自由の原則は、締結の自由・相手方選択の自由・内容決定の自由・方式の自由の4つに分かれます。2017年改正でこのうち3つが条文になり、同時に「法令に特別の定めがある場合を除き」「法令の制限内において」という限界も条文に書かれました。4つの自由それぞれがどこで制限されるかを、条文と実務書の記述で整理します。
02 契約の基礎理論

任意規定と強行法規:「書かなければどうなるか」

契約書から条項を1つ削っても、その部分は空白になりません。民法や商法が当てはまるルールを用意しているからです。任意規定と強行規定の見分け方、任意規定の2つの働き方、そして任意規定が消費者契約法10条や定型約款の規定で条項を測る基準として使われていることを整理し、条項を読むときの3つの問いにまとめます。
02 契約の基礎理論

典型契約という発想:民法の13類型と現実の取引

民法に「業務委託契約」という契約はありません。名前のある契約は13種類で、そのどれに当たるかで適用される規定が変わります。典型契約が何のためにあるのか、混合契約や現実類型をどう扱うのか、見極めた結果を契約書にどう書き込むのかを整理します。
02 契約の基礎理論

意思表示の瑕疵:錯誤・詐欺・強迫

「そんなつもりではなかった」という主張はいつ通るか。2017年改正で錯誤は無効から取消しになり、動機の錯誤には「その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたとき」という要件が明文化されました。前提事実を契約書に書いておくことと表明保証条項が、同じ問題を扱っていることまで整理します。
02 契約の基礎理論

無効・取消し・条件と期限

契約が「効かない」と言うとき、無効・取消し・条件未成就・期限到来のどれかで扱いが変わります。誰が主張できるか、いつまで主張できるか、渡したものをどう戻すか。条件付きの契約を書くときに決めておく4点と、分離可能性条項・期限の利益喪失条項が民法のどこを埋めているかまで整理します。
02 契約の基礎理論

契約の当事者:代理と代表

会社は自分で押印できないので、必ず誰かが会社のために押します。その権限には代表と代理があり、支配人や、事業に関する特定の事項の委任を受けた使用人にも法律上の権限があります。部長名で締結された契約をどう扱うか、委任状で何を確かめるかまで、条文に即して整理します。
02 契約の基礎理論

双務契約に特有の効力:同時履行・危険負担

相手が払わないのに渡さなければならないか。同時履行の抗弁権(民法533条)は、履行遅滞・判決主文・強制執行の3つの場面に効きます。危険負担(民法536条)は2017年改正で債務消滅構成から履行拒絶権構成に変わりました。契約書で支払と引渡しの順序を決めるときの視点まで整理します。
02 契約の基礎理論

債権法改正が契約実務に与えた影響の全体像:判断の材料が変わった

債権法改正で契約書はどう変わったか。実務書は「契約書の作成という場面では、大きな影響を及ぼす改正点は意外に少ない」としています。それでも意識して検討する必要が生じたのはなぜか。帰責事由・契約不適合・定型約款・消滅時効・譲渡制限特約の5つの変化と、その底に流れる「契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして」という判断枠組みを整理します。
02 契約の基礎理論

改正法の経過措置:どちらの民法が適用されるか

2020年4月1日より前に締結された契約には、いまも改正前民法が適用されます。ただし「施行日前の契約は全部旧法」ではなく、解除は契約締結日、債務不履行は債務の発生時、時効は債権の発生時、契約の成立は申込みの到達時と、論点ごとに基準時が違います。定型約款だけは遡って新法が適用されます。更新があった場合の扱いも含めて整理します。
02 契約の基礎理論

消滅時効の全体像と契約実務への影響:協議の合意という道具

債権の消滅時効は、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年の二重の期間になりました。中断・停止は更新・完成猶予に組み替えられ、協議を行う旨の合意(民法151条)という新しい道具も生まれています。合意書の作り方、権利の特定の程度、契約書にあらかじめ書いても意味がない理由まで整理します。