04 契約締結過程と契約の成立

01申込みと承諾:契約はいつ成立するか【基礎実務】契約は申込みと承諾で成立し、押印がなくても成立しえます。承諾期間の有無による撤回の可否、2017年改正による到達主義への統一、見積書と注文書がそれぞれ何にあたるか、継続的取引で注文を放置すると承諾とみなされる商法509条まで整理し、この枠組みが実務の交渉型取引では当てはまりにくいことも示します。02日本の契約成立は「総合判断」で認定される:申込み・承諾型との違い【応用実務】企業間の取引で、どれが申込みでどれが承諾かを特定できることは多くありません。日本の裁判所が交渉の全体から契約の成立を認定する実際を判決で確かめ、「組織型契約」という理論と照らし合わせたうえで、成立の時点を争わせないための書き方を整理します。03書式の戦い:発注書と注文請書、約款の応酬【応用実務】注文書と注文請書の裏面約款が食い違ったまま取引が始まる「書式の戦い」は、日本の取引でも日常的に起きています。ラストショット・ルールとノックアウト・ルールの違い、日本ではどちらにも素直に乗らない理由を示し、基本契約を先に結ぶ、個別契約の成立要件を決める、自社書式以外に拘束されない旨を明示する、という3つの仕組みを整理します。04契約書がなくても契約は成立する:そのとき何を証拠にするか【基礎実務】契約は契約書がなくても成立します。では、裁判所は何を見て成立を判断するのか。「言い値で買い取る」確約書があっても5億円の売買が成立しなかった東京地裁判決から、契約書がない取引で残しておくべき記録と、代金が決まらないまま取引を始めるときの備えを整理します。05契約締結上の過失・交渉破棄の責任【応用実務】契約が成立していなくても、交渉を一方的に打ち切った側が損害賠償を命じられることがあります。信義則を根拠とする責任の構成、信頼利益と履行利益、情報提供義務の性質を判決で確かめ、打ち切る側と打ち切られた側それぞれが契約実務で備えることを、負けた事例から整理します。06LOI・MOU・基本合意書の法的性質:名前ではなく条項ごとに決まる【応用実務】LOI・MOU・基本合意書・覚書という名前の違いに法的な意味はありません。拘束力の有無は中身で決まり、具体的な約束を書面にすれば拘束力を持つと解釈されやすいので、持たせたくない条項はその旨を明記する必要があります。拘束力を持たせる条項と持たせない条項の一般的な振り分けを整理します。07独占交渉義務と、破ったときの効果【応用実務】基本合意書の独占交渉義務は、拘束力を持たせるのが一般的な条項です。最高裁(平成16年8月30日決定)は、違反による損害は最終的な合意が成立するとの期待の侵害にとどまるとし、差止めの仮処分を認めませんでした。期間の区切り方、違約金や交渉費用の賠償の入れ方、独占を受け入れる代わりに何を取るかまで整理します。08先の見通しの立たない取引をどう契約にするか【専門】システム開発や共同研究のように、始める時点で何が起きるか分からない取引をどう契約にするか。決まっていることと後で決まることを分け、多段階契約、協議条項と不調時の処理、再交渉条項(ハードシップ条項)、段階ごとの解約権の4つの道具の使い分けを整理します。09予約・条件付契約【応用実務】相手方に「本契約を締結する義務」を負わせる方法として、予約と停止条件付契約があります。予約完結権の仕組み、停止条件付契約・基本合意書との違い、入金リンク条項を停止条件ではないとした最高裁判決、条件成就の妨害の規定から、どれをどう書くかを整理します。10基本合意書の条項設計:何を決め、何を決めずに残すか【応用実務】基本合意書は、最終契約から逆算して、いま書く範囲を決める文書です。事業譲渡を想定した12か条の標準構成を示し、取引の概要の書き込みすぎ、独占交渉義務違反の効果の不記載、公表の取扱いという3つの問題点と改善例を整理します。
04 契約締結過程と契約の成立

申込みと承諾:契約はいつ成立するか

契約は申込みと承諾で成立し、押印がなくても成立しえます。承諾期間の有無による撤回の可否、2017年改正による到達主義への統一、見積書と注文書がそれぞれ何にあたるか、継続的取引で注文を放置すると承諾とみなされる商法509条まで整理し、この枠組みが実務の交渉型取引では当てはまりにくいことも示します。
04 契約締結過程と契約の成立

日本の契約成立は「総合判断」で認定される:申込み・承諾型との違い

企業間の取引で、どれが申込みでどれが承諾かを特定できることは多くありません。日本の裁判所が交渉の全体から契約の成立を認定する実際を判決で確かめ、「組織型契約」という理論と照らし合わせたうえで、成立の時点を争わせないための書き方を整理します。
04 契約締結過程と契約の成立

書式の戦い:発注書と注文請書、約款の応酬

注文書と注文請書の裏面約款が食い違ったまま取引が始まる「書式の戦い」は、日本の取引でも日常的に起きています。ラストショット・ルールとノックアウト・ルールの違い、日本ではどちらにも素直に乗らない理由を示し、基本契約を先に結ぶ、個別契約の成立要件を決める、自社書式以外に拘束されない旨を明示する、という3つの仕組みを整理します。
04 契約締結過程と契約の成立

契約書がなくても契約は成立する:そのとき何を証拠にするか

契約は契約書がなくても成立します。では、裁判所は何を見て成立を判断するのか。「言い値で買い取る」確約書があっても5億円の売買が成立しなかった東京地裁判決から、契約書がない取引で残しておくべき記録と、代金が決まらないまま取引を始めるときの備えを整理します。
04 契約締結過程と契約の成立

契約締結上の過失・交渉破棄の責任

契約が成立していなくても、交渉を一方的に打ち切った側が損害賠償を命じられることがあります。信義則を根拠とする責任の構成、信頼利益と履行利益、情報提供義務の性質を判決で確かめ、打ち切る側と打ち切られた側それぞれが契約実務で備えることを、負けた事例から整理します。
04 契約締結過程と契約の成立

LOI・MOU・基本合意書の法的性質:名前ではなく条項ごとに決まる

LOI・MOU・基本合意書・覚書という名前の違いに法的な意味はありません。拘束力の有無は中身で決まり、具体的な約束を書面にすれば拘束力を持つと解釈されやすいので、持たせたくない条項はその旨を明記する必要があります。拘束力を持たせる条項と持たせない条項の一般的な振り分けを整理します。
04 契約締結過程と契約の成立

独占交渉義務と、破ったときの効果

基本合意書の独占交渉義務は、拘束力を持たせるのが一般的な条項です。最高裁(平成16年8月30日決定)は、違反による損害は最終的な合意が成立するとの期待の侵害にとどまるとし、差止めの仮処分を認めませんでした。期間の区切り方、違約金や交渉費用の賠償の入れ方、独占を受け入れる代わりに何を取るかまで整理します。
04 契約締結過程と契約の成立

先の見通しの立たない取引をどう契約にするか

システム開発や共同研究のように、始める時点で何が起きるか分からない取引をどう契約にするか。決まっていることと後で決まることを分け、多段階契約、協議条項と不調時の処理、再交渉条項(ハードシップ条項)、段階ごとの解約権の4つの道具の使い分けを整理します。
04 契約締結過程と契約の成立

予約・条件付契約

相手方に「本契約を締結する義務」を負わせる方法として、予約と停止条件付契約があります。予約完結権の仕組み、停止条件付契約・基本合意書との違い、入金リンク条項を停止条件ではないとした最高裁判決、条件成就の妨害の規定から、どれをどう書くかを整理します。
04 契約締結過程と契約の成立

基本合意書の条項設計:何を決め、何を決めずに残すか

基本合意書は、最終契約から逆算して、いま書く範囲を決める文書です。事業譲渡を想定した12か条の標準構成を示し、取引の概要の書き込みすぎ、独占交渉義務違反の効果の不記載、公表の取扱いという3つの問題点と改善例を整理します。